死
ここから世界観がガラッと変わりますご注意ください。
ちなみに、ここからしばらく進むと日常回も戻ってくる予定なので安心して見ていただければ。
そう髪を見ながらつぶやいて、立ち上がった時遠くから爺ちゃんがやってきた。
「逃げろ!!奴が来た!!!!もうすでに一棟焼かれて…危ない!!!!」
その瞬間、爺ちゃんは俺の体を強く突き飛ばした。
辺りに広がるのは赤い閃光。
その発射して来た相手は、数人のサーペンタラム兵。
名のある兵団でサーペンタラム領では英雄と呼ばれている。
閃光が終わり、えぐれた大地。
爺ちゃんは、そこにいなかった。
「フハハ!!!!ついに老いぼれを殺してやったわ!!!!」
そいつは、こちらを見て気味の悪い笑いを浮かべる。
「お前が次期頭首か…、ただの雑魚じゃないかドラゴラムは終わりだなぁ!!!!アハハハハ!!!!」
「俺たちサーペンタラムは王を殺しもう一度帝国を作り上げる!!!!」
「四剣の時代は終わったんだよ…これからは、選ばれし人間のみが幸せに暮らす世界になるんだ!!!!」
その瞬間、空気に電流が走ったような感覚に襲われる。
「そんな時代…わしが許すと思うか?」
そこにいたのは、黒い炎に包まれた人型のモンスター。
「キサマラ…コロシ、マモリキボ」
腕が伸び、五人いた兵士をその腕は先に行くほど巨大化し、飲み込む。
「アツイ!!!!アァァァツゥゥゥ!!!!焼ける!!!!死にたくない!!!!!!!!」
「ハ、ハハ、シネバラクナル、キボサワラセネ」
肌が徐々に焼け溶けて行くのがわかる。
「あつい…あついよ…」
「まだ俺たちは死ぬわけにはいかねぇんだよ!!!!」
と、威勢はいいが腕は焼け落ち、もう戦える状況ではない
「ハ、ハハ…親方様がこれを知ったらどうなるだろうな!!!!テメェらドラゴラムなんて皆殺しだ!!!!」
「ヤレルモンナラナ」
一気に、腕が伸びる速度が上がり、その炎は先端で高密度に集まっていく。
サーペンタラムの兵士の断末魔とともに、炎は霧散する。
そのモンスターは、膝をつき何かをこちらに渡そうとする。
「コレ…キボーニワタス、カミカギ、オマエガ、ヘイワマモリヒツ」
謎の言葉を残し、サラサラと溶けていきそこには、三つの龍の紋章が組み合わさったペンダントのみが残った。
「これは…」
ペンダントを拾い上げ、持っていた紐を通し無言で首にかける。
さっきまで曇りもない晴天だったのに、雨が降って来たみたいだ。
目の前がよく見えない。
「僕は、いや、俺がこの世界を変えてみせるたとえ非力でも」
ドラゴラム街に一匹の龍の咆哮が木霊する。
その咆哮はいつか世界を救うのだろう。
従者が、何人かで俺を寝室まで運んでくれる。
従者が申し訳なさそうな顔をして、こちらに語りかける。
「今回被害に遭われたのは…」
もうわかってる。
あの意味はもうわかりきっている。
「なので、本日からはあなた様がいきなりではございますがこの領地を纏めるために、学園の方には退学願いを出しておきました」
仕方がないだろう。
「離脱する声明を出された貴族一家は以下の書類に」
危険とわかれば逃げていくのが人間だ。
「財産の方は受け継がれますので、数年は安泰かと、数年後も見据えてしっかりと我々がマネジメントいたしますのでご心配なく」
「少し…少しだけ一人にしてくれないか」
「部屋の手配を」