始まり
久しぶりに帰ってきました、私です。やっぱり小説が書きたくなったんですね。
今回の小説は熟考して投稿していくので、投稿ペースは遅いとは思いますが暖かく末長くお付き合いください。
ある日、ある村で、ただの平凡な少年が生まれた。
彼の名はサウラ、この物語の主人公である。
「おい!逃げるぞ!!!!一隊で一人じゃ無理だ!もう一隊呼んでこないと奴には傷すらもつかねぇ!!」
「クソゥ!!異人共め…力があるからって俺たちを蔑みやがって!!」
「クハハハ!!!!貧弱者共よ!!泣け!!喚け!!貴様らのような弱人共が我に楯突いて勝てるわけなかろう!!早く金銀財宝を大人しくいつも通り差し出せばいいんだよぉ!!!!」
ここはある辺境の村異人に支配されていたが、村人が耐えきれず反乱を起こしたのだ。
その、一幕である。
この世界では毎日のように起こっている。
ここに出てくる異人とは、モンスターの力を産まれながらに得た者。
タイプは三つに分かれる。
この村を襲っている異人は最も強く、最も知能の優れた種。オール型、と人間は呼んでいる。
弱点もそのモンスターと同じで、できることも同じ。
ただ、一つ違うのは知能がある事。
熊が武術を使えたなら、その熊を野生動物が倒すことはできないであろう。
つまり、この世界ではオール型は天災のようなものだ。
しかし、これより強い型もいる。オーバー型。
モンスターを超えた能力を使いこなし、デメリットも克服している。頭脳も人間よりも優れる。
これは、オール型と比べれば数はとてつもなく少ないが、あらゆる分野においてトップに君臨する。
しかし、基本的にオール型よりも発展が遅れるという点から、幼少期の屈辱を晴らすために小学生が国を滅ぼしたという例も上げられている。
最後に、最も多いルーズ型。
これは、モンスターとしての能力を半分ほど使えるが、弱点は人間とモンスターを合わせたもの。
オール型の完全下位互換である。故にオール型には差別的な発言をする者もいる。
そして、人。最も弱い存在。異人からは弱人と呼ばれ、ただの人である。ごく稀に天才と呼ばれ、魔術に突出したりする者も現れるが、オーバー型を超える事例は報告されていない。
この世界は、すべてが才能の世界。
生まれながらに全てが決まっているのだ。
そう、全てが。
それでは、先ほどの出来事の続きを見て頂こう。
「クソゥ…もう駄目なのか…」
「幾ら槍でついても傷一つつかない…やっぱり人間が敵うわけないんだ…」
「ふむ…もう諦めたか弱人共め。さぁ、さっさと渡すもん渡せよ、護衛代だろぉ?」
「勝手なこと言いやがって…前も何もしてくれなかったじゃないか…」
「渡さないなら、直々にこの村を破壊してやってもいいんだがなぁ?」
そう言った瞬間、そこに猛風が吹き荒れ、異人は体制を崩す。
異人は風上を見ると、そこには人間とはおおよそ思えない人型の生物がいる。
「まさか、オーバー型!?」
「ふぉっふぉ!いかにも…わしはこの村の片隅にすんでおる者じゃが…貴様らがうるさくて、娘が出産に集中できなんだ…」
その瞬間、空気が一変する。息をすることすらも許されないような。
「だから、静かにしてきたのじゃよ」
オーバー型の老人の目が怪しく光り、別の地点に移動。異人は次の瞬間風船が割れたように弾け飛ぶ。
「1000年前は肉片も残らなかったのじゃが…衰えたかの?」
血の雨が村人を濡らす。
「助かりました…まさかこの村にオーバー型の方がいらっしゃるとは…」
「いいのじゃよ…ただ、わしの孫には優しくするのじゃぞ」
そして、老人はゆっくりと人間の姿に戻り、街中へ消えて行った。
「今、帰ったぞ」
そう言うと、出産を終えた妊婦が赤ちゃんを抱きかかえている。
「まぁ、デイノお父様ったら、また異人を狩りに行ったのですね…この子が乱暴者になったらどうしましょう」
「フォッフォ!そんなことは無かろうて、なにせ、この子は遺伝的にルーズ型と医者が言っておった。突然変異でもない限り、ドラゴン種でもない限り異人を狩れぬじゃろ」
そう言いながら、赤ちゃんのおでこを優しくペシペシと叩く。
「またこの子をバカにして…この子は将来立派な子になります!!」
「そうじゃろうとも!なにせ、わしの孫じゃからな」
「さて、この子は結局何型だったのじゃな?」
「それが…そのぉ…」
と言いながら奥の部屋から、彼女の夫が出てくる。
「人、のようでして」
「「人ォ!?」」
「貴様の血を受け継いだからこうなったんじゃないかのぉ!!はぁあ、この子の未来は絶望的じゃ!」
「こればっかりは反論できないわね…」
この街は、異人と人が共生する街、リンクス。
人間は、生まれながらに不幸とは言われるものの、異人がいても運が良ければ、才能があれば、生きていける唯一の街である。
感想などで、こうした方がいいんじゃないか、と指摘がございましたらどうぞ。
なるほど、と思えば少しずつ変えていきます。
気づき次第、返信をしますので、あしからず。