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仮面

作者: 嶺音

朝から何だか憂鬱だった。




顔に当たる風もやけに生温くて心地悪い。

雨が降る前の


なんとも言えない

もやもやなかんじ。


さっき家を出る前に

シャワー浴びてスッキリした筈なのに

全然スッキリしてない。



お婆ちゃんがよく言ってたっけ。


「良くも悪くも、思ったことや口から出たことは本当になっちゃうから 悪いことや嫌なことは考えちゃダメよ。」


って。


でも、そんな朝って

やっぱりいろいろ考えちゃうでしょ。


上手くいってない仕事とか


少し面倒になってる対人関係とか


それから…いろいろ。






まあ、どれも面には出さないけどね。






「いつも嶺音さんは仕事楽しそうにやってますね」


「嶺音さんに仕事頼むと確実だから次も是非お願いします!」


「嶺音て仕事もプライベートも充実してそうで羨ましいよ。うちなんて仕事終わって家帰っても家事が待ってるし笑

今は子供に手もお金もかかる時だから旅行はおろか美容室にも行けないわ笑」



職場含め周りのみんなの評価。意見?笑


本人の自己評価とは違ってまあまあいい。




昔からそう。


自分で言うのもなんだけど

小さい時から

周りは私を高評価した。


高評価と言っても

私自身が思っているよりも、だけど。


また、

親はいろいろ期待した。



子供なりにその期待に応えたくて頑張った。


学校のテスト前は一生懸命勉強したし、

マラソン大会前は 飼い犬のスズに付き合ってもらって毎日トレーニングした。

夏休みの自由研究は 親にお願いをして県内中の史跡を巡り、調べたことを冊子にまとめて提出した。

学級委員だの、なんとか委員だのもいろいろやった。



もちろん親は凄く褒めてくれ、

それがまた嬉しかった。



でも、いつからだろうね



それが重荷に感じるようになった。




良い子ちゃんでいなければ。




そんな思いが膨らむ。





よく聞く話じゃんって思うかも知れないけど

結構しんどい。


本当の自分を押し殺して

仮面の自分を装う。




ヤダ とか ムリ とか言ってみたい。

けどそれはできない。







。。。






コンビニで買ったカフェオレを

駐車場に停めた車の中で飲みながら


「また ぐだぐだつまらないことを考えこんでんじゃねぇよ」


と口悪く自分にツッコミを入れた。




さあ!




気合いを入れ直しドアを開ける。





仮面の自分を装いながら。


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