気付いたら時間外労働と雨宿りの原因と一緒に雨宿りしてた。
「君は誰だい?」
顔のない男が問う。
夕暮れにすれ違う人の顔が判別出来ない様な暗さ。
シルエットに、お前こそ誰だと逆に問う。
「誰かな? 取り敢えず君と同じ迷子? 何しろこの雨だしね」
雨宿りに入った洞窟で、面倒な男と一緒になってしまった。
「旅人かい? リュートを弾くの? それとも曲芸?」
「芸人じゃない」
「では剣士?」
「貴人の捜索に駆り出された文官だ。ツイてない」
「ツイてる! 困ってたんだ!」
「はあ?」