第2話 教官との出会い
ここはMHRK本部ビルから離れた郊外にある訓練センター
いつもは職業訓練センターとして利用されているがここもれっきとしたMHRKの組織下の一つである
その職業訓練センターに集められた5人。今いる場所はその地下深く、エレベーターに乗せられて連れてこられた。
そう。俺、赤崎晃司も。
あのジジイに騙されたのもつい昨日のお話
他の4人は最後までグチグチ言っていたが
俺自身は正直なところワクワクしていた。無理矢理に連れてこられたがそれでも全く知らない新しい出会い。そして修行。
これ以上に心躍ることがあるだろうか!まさにヒーロー!
しかし俺の期待は淡く消え失せることになるのだ
「本日からお前たちの教官として訓練を担当する鬼ヶ島斗貴子だ。ここに入った以上人間扱いはせんぞ。いいな?」
入ってきた教官は子供だった!?見た目はどう見ても10歳前後の少女、声も可愛い限りだ
「なんじゃあの幼女は!」
「ロリ幼女ktkr」
「キャラが…」
突如現れた教官を名乗る幼女は3人を一瞥すると力強く言った
「そして貴様らに訓練してもらうのは裏コース!ヒーローに向けて心身の鍛錬を行なってもらう。意義は認めん、いいな。」
教官は一人一人を見定めるかのように歩いていき、赤崎の前で止まった。
「わかったか?」
この子、違う。普通の人とは明らかに違う。
オーラがあるとはこういうことなのか、ただ単に前に立っているだけなのに気圧される
俺はビビリながら答えた
「…できる限り頑張りますよ(可愛い子だなぁ…」
ビシッ!ビンタ1発。すっごい痛い。
「いった!なんなんですか一体!?」
「返事は、はい。もしくはイエスマムだ分かったかおい(ペシペシ」
「は…はい」
「元気が足らんぞ!(ボコッ!」
今度は拳だった。
「はい!分かりました!」
「うむ!分かりましたは要らんぞ!」
次は裏拳が飛んできた…
「はい!」
「ベネ(よし)」
よかった…許されたようだ…
一連のやり取りを見ていた4人はひそひそと話し合いを始めた
「あの女の子は危険ではないのか…我のガイアがああいうオーラを持つ者には近づいたらイカンと囁いているんだが…」
「…なんだか怖そう…」
「…桃色よ語尾を忘れているぞ…」
「あ…なんだか怖そうニャン♡」
「キャラを忘れるくらいに本能的に怖がっているのな貴様」
「私のキャラは天然だニャン!ついでに言うなら私とキャラがかぶってるんだニャン!」
「全くかぶってないぞ」
「…ああいう女は間違いなくドM。ソースはエロゲ…」
「それだったらどんなに楽か…」
「大体…あの女の子が教官だと…」
ヒソヒソ話を続ける
「うるさいなお前ら!…教官にふさわしい力があるか試してみればいい!」
蒼瀬が立ち上がり鬼ヶ島教官に向かって走り出した
「俺の体術に負けるようなちびっこなら習うことなどない!」
拳が顔に届くか否かの瞬間、青瀬の体が宙を舞った。
一瞬時が止まったかのような沈黙、鬼ヶ島教官が吐き捨てるように言った。
「ふん…弱いな、そして青い。私は23だ、貴様のような小童には負けん」
「俺が…負けた…」
「うむ、なかなか骨があるやつもいるじゃないか。お前らもやるか?」
チラッと3人をみる。
「いえいえいえいえいえいえ!!!!」
「それでは今日のところは解散としようかな。訓練は明日から。朝6時にここに集まれ。それでは解散!」
鬼ヶ島教官が部屋を出ていく。1度もこちらを振り返らない。
…なんだかすごい現場を見た。幼女がメンバー最強の青瀬を投げ飛ばしたなんてシーンを見たんだ。SAN値がみるみる下がる音がする。
「おい…青色の。教官はどうだったのだ…?」
「何を言っているのかわからないと思うが、俺の拳は確かに届いた。と思ったら地面に倒れていた…」
「それなんてポルナレフ状態?」
「痛そうだったニャンー」
「みんな大丈夫か?」
「むっ!赤色の!お前だけ取り込まれおって!」
「お前はカップル板へ行け!毒男スレには戻ってくるな!」
「ごめんねぇー」
「え!?早くも友情崩壊かよ!?」
「うるさいうるさいうるさい!赤色の!お前は仲間ではないのだ!」
「気持ち悪すぎワロリンヌww」
「とりあえず部屋に戻ろうぜ。もう23時回ってるんだ。寝ないとダメだし」
「くっ…次こそは復讐を…」
「青色のも落ち着け!」
「お前が言うなニャン☆」
笑う。ひたすらに笑う。
そうこれからの不安を吹き飛ばすように。
その気持ちは5人とも同じだった。
そして地獄の訓練が始まる。
次から修行編やりますやります詐欺