ティアラの憂鬱
セリアール
それが、この世界の名前だった。まず、この世界の名前を聞いて思ったことは……
『ファンタジー』そのままだった。
ファンタジーのような名前の通り、セリアールは魔法だってあるし、魔物だっている。
ギルドなんて所は厨二真っ盛りな人にとっては美味しい他ないだろう。
「くろちん!ぼーっとしてないで、さっさといくよ!。」
茶色のボブの美少女ならぬ親友のセリル。あたしの天使です。
セリルは可愛い顔を歪めながら、あたしに詰め寄る。そういえば、行くってどこにいくんだろう?。
「行くってどこに?。」
「えっ!それ本気で言ってるの?くろちん!それが、」
いや、そこまで驚かなくても……っていうか……
「セリル!まぁ〜たくろちんって言ってる!あたしは、ティアラ・フレイシア!ティアラ!くろちんじゃない!。」
「うぅー、くろちんは名前に関しては厳しい〜。」
「ティアラ。」
「ゔっ!分かったよぉ〜ティアちん。」
……まぁ、さっきのよりましかな?セリルが言ったとおり、あたしは名前に関しては厳しい。
それは、この世界の大切な両親が付けてくれた名前だから……
それに、セリルは勝手に変なあだ名つけるしさぁ…髪色でくろちんってありきたりだよね。……そういえば、
「セリル。さっき何か言おうとしてなかった?。」
「……あ''っ!ティアちん!そっ、それが、氷の王子と花の王子が魔道館にきてるんだって!
それをつたえたくって!。」
「げっ!」
「ティアちん?」
「えーっと、なんでもないよ?。」
「そう?じゃあ、行こう!。」
最悪です。この厳しいリューデル学院で成績優秀、文武両道、学院No.7にはいる生徒を王子と呼ぶ習慣がある。
大体が美形だから、王子って単語はあてはまるんだけど……
その一人、周りには絶対零度の冷たさを持つ氷の王子、この人あたしの幼馴染です。
氷の王子登場なるか!次回は王子についてティアちん語ります。