第8話絶望的
そうして綾に避けられた日々が続きバレンタインがやってきた。
「協力してくれるでしょ?」
沙也夏だ。綾に告白する計画を立てているらしい。こんなあたしだけどお役にたてるならと返事をした。
見てる感じ綾と付き合う可能性がなく見えたからだ。本当はこんなことしたくないのに苦しくて苦しくてたまらない。あたし綾が好きなんだ、、。もっと早くにこの気持ちに気付いていたら沙也夏に協力せずに済んだかな?本当にあたし馬鹿なんだなぁ、、。
「ありがとう。」
これが沙也夏との最後の会話となった。
数日後ナツキちゃんから沙也夏がいっこ下の学年の子と付き合い始めた事を聞いた。実際知らない子とイチャイチャしてる姿も見た。バレンタインで二人に告白したとうわさで聞いた。
許せなかった。顔みるだけで殴りたくなった。結局告白して綾に振られ、その後その後輩にチョコを渡しうまくいったわけだ。
向こうも目を合わせることはなかった。沙也夏との絶交を意味していた。そして沙也夏と綾の間でキューピット役をしていたナツキちゃんがこの頃から綾と親密になっていった。
毎日楽しそうにおしゃべりをする姿をあたしは否応なく見せ付けられた。あたしはただただじっと我慢して気持ち押さえて日々を過ごすしかなかった。
三年生になるころ綾とナツキちゃんはくっついた。ナツキちゃんに膝枕してもらい
「俺おまえとどう付き合っていくかなぁ。」
と言っている綾を見てしまった。
ショックで泣く事も出来ずそれからは受験勉強に打ち込み綾への気持ちを奥底にしまったまま卒業を迎えた。