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第10話さよなら

あたしは旦那に子供を託し車を走らせていた。




綾は今ペットショップで働いているらしい。偶然のふりして逢いに行こうと思う。

今更だけどどうしても逢いたいのだ。このもやもやした気持ちを綾に会ってすっきりさせたいのだ。もっとはやくこうすれば良かったのかもしれない。

道中変わった綾を想像したりなんて声かけたらいいか悩んだりした。でも会えば今考えてる事なんかすっかり忘れちゃうんだろうなとか。




ここかぁ。いるかな綾?小さなペットショップだった。道路ぞいの窓には子犬が置かれ外に見えるようになっている。

車から降りるとその子犬を見て窓をコンコンしたりした。

「見えないの?窓に触らないで下さい。子犬がびっくりします。って貼り紙。」

聞いたことのある声。声の方へ向くとあの綾が。

「あ、、。」

髪型も昔と変わらずエプロンをし落ち着きのある面持ちで綾がいる。

「あっすいません!」

「あの、小田倉?」

きづいてくれた。

「、、高田くん?」

逢えた。あたし綾に逢えた。なんか涙でそう。

「なんか久しぶりだね。さっ中入ってよ。ゆっくり話さない?子犬飼うの?」

ニコニコしながら綾は初めて逢ったあの日と同じ笑顔であたしを見ている。

もうダメその胸に飛び込みたい。キスしたい。抱き締めてほしい。思えば思うほど言葉にならない。

「今代理店長してんの俺。誰もいないからてきとーに座ってよ。。」

それから昔話をたくさんした。わんさかわんさか思い出がでてきては懐かしく思った。だけどナツキちゃんや沙也夏にはふれず話をした。彼女たちの話をぶり返して傷つくのが嫌だったしそんなくだらない話題で今の楽しい雰囲気を壊すのが嫌だったからだ。

「ねぇ高田くん。今は彼女とかは?」

「いないよ。だって俺結婚したもん。」

「、、、ねぇキスしてもいい?」

「、、、いいよ。」

本当に涙が出そうになった。どういう意味で受けとめてくれたのかわからないけど綾にキスをした。綾のほうからも求めていた。抱き合い二人でたくさんキスをした。「好きなの。」

「俺も。」

涙がこぼれ落ちた。

「ずっと好きだったの。」

「俺も。」

またキスをした。体が震える。

「俺ずっとおまえの事こうしたかった。」

結局あたしたちはお互い好きあっていたのだ。自分の気持ちを伝える事ができず今お互いの道を歩み進んでる。

「綾一度でいいから抱いてほしい。そしたらこの胸のもやもやとれるから!」

驚いた。あたし大胆。

「ヒコそれだけはだめだよ。もう俺等は過去なんだから。」


今あたしは車を走らせている。旦那と子供の元へ帰るために。

あたしは今幸せだ。綾に逢ってよかった。綾に出会えてよかった。本当に今そう思う。

今はとても辛いけどいつかこの気持ちごといい思い出になってくれる日まで、、、また心の奥に隠しておこうこの気持ちを。

あたしは今幸せだ。

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