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第35話:部活動

第三十五話

 三日目のテストも終わり、放課後となる。何やらうずうずしている友人の元へと有楽斎は足を伸ばした。

「今日のテストはどうだった」

「ん、ああ、まぁ、それなりだったな」

 一昨日と昨日はものすごく聞いてほしいと言った感じだったが今日はどこかうわのそらである。

「何、どうかしたのかい」

「実はさー、俺ね………ラブレターもらったんだよ」

「へぇ」

「へっへっへー、羨ましいだろ……って有楽斎には許嫁がいたからなぁ……まぁ、生涯ラブレターもらえないっていうのもある意味残念だよなぁ」

 実に嬉しそうである。

「それで、そのラブレターは誰からのものなのさ」

「んー、それがわからないんだなぁ。きっと恥ずかしがって名前を書いていなかったんだろうよ。学校来た時に下駄箱ん中に入ってたんだよ」

「今頃だけど古風だねぇ。確かにそう言った方法でもらえると嬉しいね」

「そうだろうそうだろう。ラブレターにはテストが終わった放課後に裏庭の伝説の木の下で待ってるって書いてあったからな。明日が待ち遠しいぜ」

「じゃ、僕は部室に行くよ。急いで出ないと昨日みたいなことしないといけないかもしれないからね」

「ああ、気をつけろよ」

 気分がいい為か、鼻歌交じりに返事をしてくる友人に手を軽く上げる。有楽斎は素早く廊下を確認した後にさっさと教室を後にするのだった。



――――――――



 新聞部の部室前までやってくるとちょうど花月に出会った。

「あ、新聞印刷終えたんですね」

「ええ」

 花月の手の中にあるものは束ねられた一枚の新聞である。

「今日はこれを事務室にいる職員さんに渡すのが活動目的だから」

「御手洗先輩、なんだか部活してるって感じがします」

 感動する有楽斎に対して花月はいつもの調子であった。

「いつも部活動してるでしょ」

「そう……ですけど充実しているって意味ですよ」

 野々村君、喉が渇いたから自販機で何か買ってきてとか、購買でパンを買ってきてなどなど……日々の部活動を有楽斎は思いだし、初めて部活動の楽しみを知ったのだった。

「さ、行くわよ」

 これ以上は取り合わないわよという態度であるが、まぁ、しょうがないだろう。

 有楽斎は黙って花月の後についていくのであった。

 テスト期間中の為か、校内、校庭に残っている生徒は少ない。図書館に残っているか、残りは帰宅したと思っていいだろう。

「御手洗先輩、テスト期間中ですから生徒少ないですね」

「そうね」

 基本的に部活動は中止しているからなぁとため息をついてふと思った事を口にする。

「今はみられているような気がしていないんですけど」

「………今はまわしていないわよ。無駄なところをたくさん撮っても後で編集するのが大変だからね」

 私が編集するんだからねとぽつりと言われる。

「御手洗先輩のお母さんってどんな人なんですか」

「今日はやけに話しかけてくるわね……いいわ。とりあえずこれを事務室に置いてきて掲示板に貼るよう申請したら教えてあげる」

 きっと御手洗先輩のお母さんなんだから少し変わった人なんだろうと最初から決めてかかる有楽斎であった。



―――――――――



 少し頭髪が薄くなり始めている(これでも控えめな発言)事務員に新聞を渡して、部室まで戻る。

「さてと、私の母親の話が聞きたいのよね」

「はい」

「………いいわ、教えてあげる」

 どこから話せばいいかしら………と一人呟いた後、花月は口を開くのだった。

「一言で表すなら真面目。日々おこなう事を既にスケジュールで埋め尽くしていて月曜日のこの時間はこれをするって決めているぐらいよ。融通利かないけど、優秀で何か問題にぶち当たったら何らかの結論が出るまで諦めず直進していく恐ろしい性格をしているわ。手段を選ばない性格ね」

「たとえばどんな話があるんですか」

「…昔、母のアイディアが盗られて会社が危機的状態になった時も顔色一つ変えずに仕事していたわ…そのあと、ライバル会社に勝った後も『当然の結果だ。あのネタには欠陥があるから何かで補ってやらないともろい』って言っていたぐらいだからね」

「いい母親じゃないですか」

「そうかしら。どこにもいい母親って言葉を使えないと思うけどね」

 面倒な母親よ、そういって花月は立ち上がった。

「さ、今日もビデオを撮っておくわ」

「はぁ、わかりました」

「デートの風景をね」

「………はい」

 なるほどなぁ、彼氏と彼女ならデートの一つぐらいするか。有楽斎はそう考えてデートってどんな事をするんだっけと考えるのであった。


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