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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

現代風転生風景

作者: まい

 一発ネタです。

 この場所は、6畳間程の広さの白くて四角い部屋。


 その部屋の中央より奥にポツンと立つ長方形で細長い端末があった。



 この部屋は一般的な人間が、一般的に転生する際に使われる部屋である。


 部屋の端末に近付くと、PCのモニターみたいなものが空中に投影されて、そのモニターみたいなものをタッチして操作するのだ。


 それでどんな操作をするのかと言えば……。




〜〜〜〜〜〜




とある男性Aの場合。



「なんだこの部屋? 部屋に変な棒だけ?」


「ああ、なんか未来の機械か。 空中投影パネルとかすげーな」


「……なになに? 貴方の理想の姿を書いてください? なるほど」


「前世の記憶持ち チート男村人 チート農地持ち 楽々生活 これでどうかな? ……あ、行けた」


「生成方法の選択? リッチ設定? ノーマル設定? あー、ノーマルで良いよ。 とんでもないチカラを持っておきながら、平和に静かに普通に暮らしたい系だからな」



ーーーー・・・ーーーー(転生後)



「なんでだ!? チートな男村人を希望したのに、そこらの村人と同等じゃないか! つーかチカラが【チート】って文字を物体として生成するだけって、メチャクチャじゃないかぁ!!」




〜〜〜〜〜〜




とある女性Aの場合。



「??? 変な部屋」


「ああ、このSFっぽいものに来世でどうなりたいか書くのね」


「世界で唯一のどんな傷や病気でも癒やせる魔法に目覚めて、世界中のイケメンから求婚される、見た目が世界一可愛い女の子 これでどう?」


「ノーマル設定? リッチ設定? そりゃあリッチな生活を求めて、リッチ設定でしょ」




ーーーー・・・ーーーー




「…………え? わが国のものにならないなら、他国に使われないよう殺す?」




〜〜〜〜〜〜




とある男性Bの場合。



「なんだ? この部屋は」


「…………ん? 棒に近付いたら画面が空中に出て、何かアプリっぽいのが立ち上がったな」


「…………ああ、お世話になったな。 これ画像AI生成で呪文(ちゅうもん)を入力するやつだ。 でも呪文通りに生成してくれなくて、望んだ通りのが欲しい時は何度も動画広告を見せられるか課金で動画キャンセルするかなんだよなぁ」


「……あー、ほら。 入力した通りになるとは限りませんって注意書きがある。 どうするかなぁ、試しに何か生成してみるか?」


「ピンク髪 大きくてクリッとした目 ハートの瞳 最強のプロポーション 最強の魔法少女OL 少女時代の魔法少女衣装のままでサイズが合わずブリッブリかつ露出の激しいピッチピチを着ている テ◯ガみたいな使い魔……っと」


「おっ? 入力したデータに出来るだけ近付けられるリッチ設定と、リッチ設定より乱数が大きいノーマル設定か。 ノーマル設定は即生成で、リッチ設定は広告動画を2分? 長いな」


「まあ、俺は死んでるわけだし、死んだ後の世界に流れる動画広告が気になるし、見てみるか」




ーーーー・・・ーーーー




「ギャーーー!!? 変な形の変なのに、魔法少女に誘われたーー!!?」




〜〜〜〜〜〜




 とある女性Bの場合。



「前世の記憶持ち 前世から因縁がある異性が婚約者 ダウナー系 テライケメン 首痛め系男子 最強の異能持ち 最強の金持ち スパダリ 一途 うへへへ、こんなのが居たら最強よね…」


「ん? ノーマル設定、リッチ設定? こんなのリッチ設定以外選ばないでしょ」




ーーーー・・・ーーーー




「なんで私がスパダリイケメンに転生してて、婚約者が前世の弟なのよ!! しかも弟がメチャクチャ美少女になってて悔しいやら、心の中のオッサンが喜んでるやらで複雑なんてすけどっ!! …………あー、それにしてもなんで最強異能の代償で首が痛む持病があんのよ。 首痛め系って、本当に痛いわけじゃないのに」




〜〜〜〜〜〜




とある男性Cの場合。


「あ? 理想? 人間辞めて虫になりたい」


「ノーマル? リッチ? ノーマルでいいよ。 普通に虫として生きて、さっさと死にたい。 そしてもう転生したくない」




ーーーー・・・ーーーー




「………………」(蜘蛛なので無言)




〜〜〜〜〜〜




とある女性Cの場合。



「人生に疲れた……。 鳥になって空を飛びたい 理想はこれだけよ」




ーーーー・・・ーーーー




「………………ペーン! ペーン!」(ペンギンなので喋れない)




〜〜〜〜〜〜




 生成AIはわざと乱数を持たせているので、注文通りになるとは限らない。


 むしろ注文通りになる事は極めて少ない。

※ 蜘蛛は厳密には虫ではありません。 つまりAI生成の乱数で、歪められた結果です。


※※ あと前世の記憶持ちと注文していない人は、高確率で前世の記憶を引き継いでいませんので、注文した事すら覚えていません。



 最近AI生成アプリでちょこちょこ遊んでまして、注文が多くなるほどブレるんですよね。


 ただ、だからって1行だけだと情報が少な過ぎて、注文の文章以外の場所がAI任せになるので「それ(ちげ)ーから!」も起きやすいと言うね。


 あ、ちょっと江戸なイラストを注文する時は、注文の最後に「下は何も着ていない」の文言がすっげー強いので、それが使えるアプリでしたら試してみて下さい。

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― 新着の感想 ―
転生の女神様はともかく、ガイドと言うか受付人と言うか、この場所の概要と端末操作方法を解説してくれる方が欲しいですね。せめて、概要文(アバウト)はマスト。 まあきっと、「そんな所」に行くには一般人超え…
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