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好きバレした掛田さんが可愛すぎる話  作者: 冷泉七都
第四章

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49/50

第49話 報告

 風花と付き合い始めて二日後の月曜日――。

 俺たちは、二人並んで学校に向かっていた。


 今日は腕を組むなんてことはしていない。

 したいのはしたいのだが、あまり浮かれすぎるのも良くないと割り切っている。


「晴路、みんなには伝える――で良いんだよね?」

「あぁ、もうそう思われてるみたいな感じだから、言ってしまいたい」

「うん、そうしよ。わたしもその方が良かったし」


 恥ずかしいから隠したままでいるというカップルも、この高校には多いのだろうが、俺たちは隠すもなにもバレている。

 一昨日にこの話をして、隠さなくてもいいという結論に至った。



   / / / / /



 教室に着いて、自分の席に行くため風花と離れる。

 席に荷物を置いたちょうどそのとき、隣から見知った声が聞こえてきた。


「晴路、聞いたよ。やっと付き合いだしたんだってね」


 横を見ると、夏実がにんまりした顔で座って、こちらを見てきていた。


「風花から聞いたのか?」

「もちろん、すごく興奮して喜んでたよ」

「へぇ――」


 他人にも分かるほど喜んでいたなんて、本当に風花が彼女になってくれたと実感できて、なんだか嬉しい。

 思わずニヤけてしまいそうだ。


「で、晴路から言ったんだよね。告白……」

「まぁ最終的には……。風花に言われそうだったけど」


 あの場面を思い返す。

 あのときに勇気を出して良かったと、しみじみ感じた。


「ふーん。幸せそうでなにより」


 吐き捨てるように夏実は言った。


 …………。


 次に付き合ったというべき人は誰だろう。

 そう考えると、累が思いついた。

 伝えるべきか悩むところだが、ここで言ってしまわないといけない気がする。

 自己満足と言われたら言い返せないけれど、少なくとも俺はこの方がいいと思った。


「累、話がある」


 俺は累の席まで言って、話しかけた。


「あぁ、晴路か。どうしたんだ?」

「……風花の話なんだけど」


 累は俺の顔をじっと見た。

 そして何かが分かったように一度頷く。


「俺――」

「――いや、いい」


 と、累に言葉を止められてしまった。

 いつのまにか、累の視線は斜め上を向いていた。


「それぐらい分かる」


 強かった発言に、少し気圧された。

 累が向いている先には、なにも答えは書いていない。

 俺はなにも言い返すことができないと分かり、ただ黙って自分の席に戻った。


 3ターンもなかった会話なのに、それ以上の意味を感じ取れた。

 俺が累に伝えたのは、合っていたのだろうか――。

 自信が持てない。

 自然に伝わるのを、待っていた方が良かったかもしれない。


 正しいがないのに後悔して、悩んでしまっても仕方ない――。

 そう自分に言い聞かせて、割り切ることにした。


 …………。


 放課後になって、新聞部の部室へとやってきた。

 風花とお喋りをしていたせいで、少し遅れてしまったが仕方ないと許して欲しい。


「雫、茅根――」


 俺は先に部屋にいた二人の名前を呼んだ。

 すると二人とも俺の方を見て、どうしたのかと不思議そうな顔を向けてくる。


「俺、あのとき言ってた風花と付き合い始めた」

「…………」「っぇ」


 驚いた顔を見せてくれるから、俺は少し嬉しくなった。


「ガヤ、やっとなれたんだ。おめでとーっ!」

「いやいや――」


 拍手までして褒めてくれ、恥ずかしくて顔が赤くなってしまう。

 茅根は雫の方にブンッと顔を振り向けて、机に手のひらを打ちつけた。

 雫は驚いたまま、動かなくなっている。


「シズちゃん、大ニュースだよ。大ニュース!」

「割ヶ谷先輩に……」


 やっと雫は声を出した。


「……おめでとうございますっ」


 パチパチ、パチパチ――。


 茅根も雫も、拍手をやめない。

 新聞部史上、一番の盛り上がりかもしれない。


「こんなことがあるんですね」

「うんうん、信じられないよ」


 なんだか言葉の意味が、凄い――ではなくて、なぜ――になっている気がしたが、気にしないでおこう。


「告白の言葉は、なんて言われたん?」


 茅根が聞いてくる。


「告白自体は俺がしたかな。半々みたいな感じでもあったけど……」

「ガヤがっ!? へぇ――」

「やっぱり、するときはする男なんですね。割ヶ谷先輩は」


 そこまで褒められるとは思っていなくて、正直かなり驚いた。


 この日は帰るまで、俺と風花関連の話題が尽きなかった。

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