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好きバレした掛田さんが可愛すぎる話  作者: 冷泉七都
第二章

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第22話 【閑話】新聞部の夏休み活動

「ガヤ、おはよーっ」

「割ヶ谷先輩、おはようございます!」


 夏休み中に一度だけ予定していた新聞部の活動。

 それが行われるのが今日で、集合時間通りに部室に入ったのだが、すでに茅根と雫はそこにいた。


「……おはよ?」


 思わず疑問系で返してしまったのは、机に置かれているのが紙でもペンでもなく、どう見ても遊びかけのジェンガだったからだ。


「なんでそんなのが部室にあるんだ?」

「遊ぶためだよ?」


 俺が変なことを言ったみたいな空気感を醸し出してくるのはやめてほしい。

 雫までもがうんうんと頷き、茅根に共感している。

 はぁ――と、溜め息が出てきてしまいそう。


「先輩もやりましょ」

「いや、でも」

「そんな真面目な振りをしなくて良いんですよ。割ヶ谷先輩はそんな人じゃないです」


 貶された気がするが、雫はわざと言ったわけじゃないだろうから何も言えない。


「うんうんっ、ガヤはそんなんじゃないっ!」

「ちょっと言い方悪いぞ」


 茅根は絶対にわざとだ。

 俺が突っかかると、あーあーと声を出して聞こえないふりをした。


「でも今夏休み中で新聞も発行しないから、暇なんだよーっ」

「それは、確かに」


 茅根がそう嘆いた。

 まぁ、部活をやるとなったのは、顧問の先生の「一日だけでもしたら?」という無責任一言によるものだったからな――。


「じゃあ、次は割ヶ谷の番ですっ」

「おう」


 俺は上の方の中央あたりを引き抜こうとする。


「うわずるい、簡単なところを……」

「性格出てます」


 そんなことを駄弁りながら、何周かしたとき、雫が引き抜いた刹那、ジェンガのタワーが大胆に崩れた。


「ああぁぁーーーー」


 聞き慣れない雫の悲鳴が部室中に響いた。


「なら、罰ゲームで……自販機まで飲み物買い出しっ」


 茅根の発言に、そんなの聞いてないと反応する雫。

 茅根のことだから、本当に急に言い出したのだろう。

 ちなみに自販機は食堂の前にあって、ここからは少し離れている。

 飲み物のためだけに行くのは億劫になるくらい。


「それはいいのか?」

「いいでしょ、もちろんお金は私が出すしー。シズちゃんも、私のお金で好きなの買ってきていいからね!」

「いいんですか?」

「もちろん、可愛い後輩のためだよ」


 茅根のそういうところが、まさに憎めない部分なのだ。


 買い出しから帰ってきた雫は、二本の飲み物を手に持っていた。

 雫自身の分と茅根の分――。

 俺にはないらしい。


「俺のは……?」


 恐る恐る聞いた。

 すると――。


「お金貰ってなかったから、買ってないです」

「私のお金は、ガヤのためにあるんじゃないんだっ」


 と返事された。

 なんらおかしいことはないのだが、少し寂しくなった。

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