魔王の結婚式
「めでたいな」
「おめでとう」
「めでたい」
神王、レオン、魔王の順番で祝福の言葉を述べた。
それからレオンは空間を歪ませて、そこから百本の薔薇の花束を取り出し、宇宙人男子に手渡した。
宇宙人女子に渡せという合図を目で送る。
「わあ……! ありがとうございます」
宇宙人女子は喜色満面の笑みで礼を言った。
宇宙人男子には、今度は自分で用意してねと目配せを送る。
こうして宇宙人カップルが【創魔界】で誕生した。
そこから五十年、遂に【創魔界】人同士のカップルが成立した。
魔王が初めてのカップルをつくった。
相手はレオンの血族、鬼女だ。
魔王に見初められたとあって、鬼女は、初めは臆していたが、次第に心が揺れ動き、魔王とかすがいの仲になった。
結婚式は魔王城で執り行われる。
「いつも気立ての良い者だと思っていた、鬼女、よろしく頼む」
「はい、魔王ブレイト様、私をパートナーに選んでいただき、ありがとうございます」
鬼女はウェディングドレスと白無垢の両方を着た。
魔王もそれに倣って、洋風と和風の装いをする。
二人の結婚式は盛大に国を挙げて行われた。
花火が一万発上がり、大空に結婚おめでとうございます! と映し出された。
レオンも新たなカップルの誕生に感動した。
魔王は鬼女に向かって傅いて、百本の薔薇の花束を渡した。
用意したのはレオンで、それを魔王が購入した。
鬼女は口元を両手で覆って、感極まっている。
そして魔王は婚約指輪の箱をパカッと開ける。
「オレと結婚して欲しい」
「はい! 喜んで」
タキシードを着た魔王が、ウェディングドレスの鬼女の左手薬指に指輪をはめて、お姫様抱っこした。
身長は同じくらいだが、魔王は男なので力は有り余っている。
鬼女は感動で涙を流していた。
レオンもいつかあんな結婚式ができたらいいなと心に思った。
そして、二人は幸せなキスをして結ばれた。
近い存在だと思っていた魔王が、急に遠い存在のように感じられた。
司会者になっている巫女が結婚式を進行している。
『どうか皆さん、盛大な拍手を! お二人の新たな門出を祝ってください!』
絶叫とまではいかないが、大音量で魔王城の外まで聞こえている司会者の話し声。
国を挙げての結婚式は両者の縁者による挨拶に変わった。
レオンはマイクスタンドの前に立つ。
『鬼女は僕の自慢の娘です。気立ても良くて、頭もいい、とても優しい子です。そんな彼女が、魔王ブレイトと結婚することになり、驚きはしましたが、同時に嬉しさでいっぱいになりました。おめでとうございます』
続いて、神王が魔王の縁者として挨拶をしに、マイクスタンドの前に立った。




