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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生

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【悪魔契約】の話

「邪王への礼に、以前話した【悪魔契約】をやってもらおうと思う。音楽祭のあとはできなかったからな」

「いやそれは、身体乗っ取られるんじゃなかったっけ。どこが礼?」

「大丈夫だ。【悪魔契約】は【神授契約】と違って、己でコントロールできる。生け贄は必要だがな。契約する悪魔が食べる」

「生け贄なんて、僕が出すわけないじゃない」

 ジトッとした目で魔王を睨んだ。

 魔王は残念そうに、表情を曇らせる。

「全く……魔王は僕のこと、わかってないね」

「ほんの冗談だ。悪魔達は魔神ではないから、供物も何も要らない。簡単に契約してくれるぞ。邪王ほどの器ならば」

 魔王はどうしてもレオンに【悪魔契約】をやらせたい模様。

 魔王は引き下がらない。

 こうなると、魔王は頑なに食い下がるのだ。


「断る。よくわからないものには手を出さない。それが僕の信条」

「ちっ。大暴れする邪王を間近で見られる機会だと思ったのに……!」

 魔王は底意地の悪そうな顔で舌打ちする。

 やはり悪巧みしていた。

「なんで僕が大暴れするかな?」

 レオンは魔王の顔を覗き込んで、ジト目で見つめる。

 魔王はあさっての方向を向いた。

 口笛を鳴らして。下手だ。

「【神授契約】でも神が大暴れしたんだから、【悪魔契約】では、もっと凄まじい災害でも起きるんじゃないか?」

 そんなに危険なのかとレオンは神王の言葉を信じた。

「何!? 神王、貴様どちらの味方だ!! 邪王が不敵な笑みを浮かべて、大暴れするところが見たくないのか!」

「いや、見たいが……。邪王が暴れると、誰も止められんからな……。悪魔の力を持った邪王なんて、恐ろしい……!」

「そうか……仕方ない。じゃあ、二十時に来い。歓迎の準備をして待っている。オレの城だ」

「ふうん……了解」


 魔王学園ではないそうだ。

 ひとまず、【悪魔契約】は避けられるので一安心。

 どんな風に身体が変化するかはわかりかねるが、醜態を晒す可能性がある以上、断固拒否だ。

 意識を手放すわけではないとしても、知らない自分になるのは怖い。

 魂が二つある状態になるということだろうか。

 どちらにせよ、神王の助け船のおかげで助かった。


 時刻は夜八時。

 邪竜イコロスの背に乗って、日帝の魔王城へ向かう。

 風が心地良かった。

 星空も綺麗で、空中散歩を楽しめる時間帯だ。

 魔王城に間もなく到着して、イコロスは一旦地獄界の住み処に帰ることにした。

「ご用がありましたら、テレパシーを送ってください。すぐに馳せ参じます、主様」

「うん。ありがとう」

 背や頭を撫でて、レオンは感謝の意を示した。

 イコロスは頭を下げて、バッサバッサと翼を広げ、飛んでゆく。

 重力を操作できるレオンならば、イコロスに乗って来なくても、移動は容易いが、竜とお出かけするのが楽しいのでつい、ドラグライドをしてしまう。

 もっと国が増えてきたら、また三王で世界旅行をしてみてもいいだろう。

 交換留学生達も誘って。

 みんなでこの世界を大いに盛り上げよう。

 神族も魔族も仲良くなってきたので、魔王学園と神王学園で留学するかもしれない。

 いや、神族は神の戒律を破ると頭痛がするのだった。

 魔族も神に従い続けると頭痛がするので、仲が良くなっても相性は最悪なのだ。

 文化までは取り入れられないか。

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