真の黒幕
レオンは話を続けた。
間目白は目を丸くして、押し黙っていた。
レオンの長い昔話に、思うところがあったのかもしれない。
「助けてもらえるように動かなかったのは、君だろ。くだらないプライドを捨てて、カッコ悪くても生きようとしなかった君自身の問題だろ? 頭を下げられないプライドなんて、塵に等しいんだよ」
「カッコ悪い生き方なんか……!」
「人の足引っ張って、悪さする方がよっぽどカッコ悪いでしょうが。人のせいにして人を殺すことの、どこがカッコイイんだよ。え? 靴を舐めて、泥水啜って、血反吐吐いても生きようとすれば、いつか僕に君の心の叫びが届いていたかもしれなかった。もう遅いけどね」
「あ……」
レオンに真っ当な意見を言われた間目白は、小さく声を漏らした。
「君はやってはいけないことをやった。地獄に連れられる。来世では幸せになれるよう、そのプライドを捨てるんだよ」
レオンが手を振ると、魔王が間目白の両手を地獄の炎で拘束した。
手錠のような形をしており、物凄く熱いらしい。
そんなに近くにいないのに、熱気で汗が噴き出るほどだ。
「行って来る」
魔王ブレイトが敬礼をして、間目白を連れ去った。
地獄の裁判は、きっと怜音が行っていた拷問よりも苦しいのだろう。
怜音のときも誘拐されて怖い目に遭ったことがあるが、そのときの比じゃないぐらい恐ろしいのだろう。
定められた法に従って然るべきだ。
魔王の極刑に処されないために。
竹馬の友と言っても、罪からは逃れられない。
減刑されることはあり得ない。
レオンは神王と向かい合って話をした。
「仇……討ちたかった?」
「いや……。俺の血族ばかりが狙われるのは気になっていたが、その質問の答えは出ない。また血族を増やすことにする。我が子らの墓も作ってやりたい」
「手伝うよ。火葬は?」
「する」
レオン達は、殺された神族達の遺体を燃やして骨にした。
楽しいはずの祭りで、こんな凄惨な事件が起きるとは思わなかった。
次回からは持ち物チェックを念入りにしておくようにしよう。
二度と同じ事件が起こらぬように。
墓を作って、花を供えた。
彼らの名は、ディック、アーマ、シーマ、ケオ。
アルカディアで骨を埋めたかっただろうが、ノースアメリアの紅蓮城の近くに墓を作った。
来世では幸せになれるようにと二人は祈った。
神王は涙を流している。
レオンは神王の背中をさすった。
「ああ神よ。何故俺のこども達だけが狙われるのか――お教えくだされ、創造神ヨウゲツよ」
「神王……」
「頭の中に何かが……っ! 邪王、俺の手を取ってくれ!」
「え、何?」
言われるまま、手を取った。
神王の涙は止まっていて、目を見開いて頭を抱えている。
「寄生虫は……地球産だが宇宙人から教えられたモノ……。奴に寄生虫操術を教えた黒幕がいる……!」
「……!」
レオンも目を見開く。
互いに寄生虫は危険という認識をした。
宇宙人はレオン達にとっては天敵なのかもしれない。
「創造神からのメッセージ?」
「ああ、そうだ。宇宙人を調べて捕虜にせよ。交換留学生の中で知っている奴はいるのか。寄生虫操術をとおっしゃっている」
「交換留学生達を呼んで来るよ」
レオンは別室で待機中の交換留学生達を駆け足で迎えに行った。
そしてすぐに帰って来た。
「お待たせ」
交換留学生六人の男女を引き連れて来た。
交換留学生の皆はキョトンとした顔をしている。




