地獄を知れ、人間よ
そして事件が起こった。
観客の数名が死傷を負う事件が。
寄生虫に取りつかれた神族が引き起こした発砲事件。
地球産の銃と違って、こちらの銃は特殊な力を帯びた銃だ。
強力な結界を破ることもできる。
音楽祭はやむなく中止となった。
レオンは発砲事件を起こした神族の少年、アスクについていた寄生虫を調べることにした。
もちろん、手袋を使って。
数時間ほど経過して調べ終わると、意外なことが判明した。
この世界には存在しないこと――。
犯人が逃げないように、観客を休憩室で待たせた。
三王は別室で会議する。
神王は怒りで打ち震えていた。
「今回の損害はでかい。しかし、何故こうも神族ばかりが狙われるのか。負傷者も神族だ」
「犯人は神族に恨みがある?」
「だとしたら、また宇宙人か」
「朝露浪漫は恨みを抱いていなかった。あいつはただの戦闘狂だよ。それも、おしおきされたいがためのドM」
「今回狙われた奴は寄生虫に寄生されて、おかしくなったのか?」
「多分そう。そして真犯人は恨んでいるかもしれない、神族を。もしかしたら、祭りをめちゃくちゃにしたから、僕のことも嫌いなのかもね」
寄生虫は地球産のものであることがわかった。
そして、真犯人をお縄につける。
悪を暴いて、魔王に審判を下させる。
真犯人は宇宙人じゃない――人間だ。
食事中もどんなときも一言すら喋らなかった、人間の少年『間目白』。
真犯人の供述は、
「誰でも良かった」
「神族ばかりが狙われたが」
「あんなに幸せそうな生活を送っているあんたらが憎かったんだ。宇宙人の仕業に見せかけて、宇宙人に罪をなすりつけてやるつもりだった。案外、頭いいんだなー、【創世の三王】」
歪んだ目で見下すように嘲笑う間目白。
神王は間目白を殴った。
間目白は吹っ飛ばされて、鼻血を吹いた。
同時に頭も打つ。
「――ってぇ……! 神王サマご乱心ってか?」
「よくも我が子らを傷付けてくれたな。その命、惜しくはあるまい? 俺は奪う者を赦さない」
「神サマってのは、残酷なんだな。平気で命を奪おうとするし、俺みたいな奴を量産させる。神なんかいない方がいい。悪魔よりよっぽどタチが悪いぜ」
ペッと唾を吐いて、肩をゴキバキと鳴らす間目白。
彼の供述は嘘のようだ。
明確に、神や幸せそうに生きる人々を憎んでいる。
「貴様はこの世界の規定通り、地獄界に連れて行く。想像を絶する痛みを伴うが、貴様は地獄逝きだ」
「地獄なんか、地球で既に経験済みだっつーの」
耳の穴に指を突っ込んで、態度を余計に悪くする間目白。
「間は通名を使っています。国籍不明の密入国者なんです」
交換留学生の人間の少女が説明してくれた。
「そんな人物を何故総理は選んだんだ?」
レオンは総理に裏切られたのかと唇を噛んだ。
「単に、押し付けたかったんだと思います。向こうでも悪ガキだったので」




