【創世の三王】で小話
「こんなに大がかりでやっているのに、明日も祭りがあるんですか? 皆さんお休みとかないんです?」
交換留学生の宇宙人の少年が訊いた。
「体力なら、心配ないよ。僕の血族は疲れにくい身体なのが取り柄なんだ」
レオンはオムライスをスプーンですくって、口に運びつつ説明する。
「国民の祝日もきちんとあるよ。心配してくれて、ありがとう」
朗らかな笑みを浮かべて、きちんと受け答えするレオン。
「殆どの国民は、祭りを楽しんで用意しているように見える」
冷静な魔王の分析。的確だ。
皆働くのが楽しみでしようがないようだ。
レオンの役に立てることを何より願っている、優しくて強いこども達。
自慢のこども達だ。
いくつになっても、こどもはみんな可愛く見える親バカなレオンである。
神王も魔王も親バカである。
こどもを愛でるタイプの【創世の三王】。
「午後からはどんな演奏をやるんですか? 司会者がいないのでサプライズみたいで面白いんですけど、気になっちゃって」
頭をかいて恥ずかしそうに質問する、宇宙人口交換留学生の少年。
司会者をつけるならば、朝露浪漫にするが、彼女は自室で眠っている。
音楽には興味がないそうだ。
彼女の興味関心はレオンの強さとおしおきのみ。
おしおきされなくて寂しがっているので、良い感じに放置できている。
変態を野放しにしたら、更なる変態を招きかねないから。
「チェロ演奏会とカラオケ大会をやろうと思っているよ。観客参加型でね」
「へぇえ……それは楽しみです」
「この世界で流行っている曲ばかりだけど」
「えぇーっ!? それじゃあ、僕らは参加できませんね」
「うん、ごめんだけど、著作権的にクリアできそうな曲が少なかったから。こんなに大々的にやると、権利者に悪いでしょ」
だからこの国でつくった音楽を使って、カラオケ大会をするのだ。
それならば、何も問題ない。
管理者はレオンだから。
「オレの授業でも使ってもいいか? 邪王」
「著作権使用料が発生するけど、それでいいなら」
「ケチだな」
「ケチで結構。魔王こそ、国の主なら商業も考えなくちゃ。政治だけが国王の責務じゃないよ」
「邪王の言う通りだな。俺も何か、稼げるような商売を考えるかな」
「神王は国王であっても教祖じゃん。信者から寄付もらってるんでしょ? 僕は入信しないけど」
「親友の誼で入れ」
「いやそれ、マルチレベルマーケティングみたいな怪しい勧誘方法なんだけど」
レオンは苦笑いした。
それから水を飲み干す。
「明日は夏祭りをやりたいなあ。昨年よりももっと豪華に」
「アメリアは金持ち国家なのだな」
「資源が豊富だからね」
「海洋資源ぐらいしか取り柄のない日帝はどうすればいい? 邪王は生き物食わないから、たくさん釣れても神王しか買ってくれないのだが」
「有機栽培と海藻類に力を入れればいいじゃない」




