創造神VS宇宙人
「うまく隠れていたつもりだったのに……何故です?」
「くっ……! 神の目は欺けないか……!」
「我が前に平伏せ。悪の化身どもよ。太陽の光で焼き尽くしてくれる」
両手を広げ、神は軽々と歩を進めていく。
始末すべき対象の宇宙人へと。
「ここで始末されるわけにいかない」
「そうです! 我々にも使命があるんです!」
「同胞を助けます!」
宇宙人達は徹底抗戦を仕掛けるが、今や創造神の力は絶大。
近づいてジュッと燃えてしまった。
力を抑えているのか、骨ごと焼けることはなかったが。
交換留学生のうち、三人が絶命した。
レオンは固唾を呑んだ。
総理にどう説明すればいいのか。
この神を本当に信用してもいいのか。
宇宙人は、ここに来た朝露浪漫以外の彼らは、まだ何もしていなかった。
これから何かをする予定だったのかもしれないが、何もしていないのに神罰が下された。
わからない。
どちらが正義で、どちらが正しかったのか。
何かが起きてからでは、遅いのか――。
「燃えて、死んでしまいましたね……」
「私は恐くて何もできませんでした……」
「そういうこともあるよ、ねえ神」
「なんだ邪王。我に何か用か」
「どうして殺したの?」
「奴等は侵略しに来た宇宙人だ。我の存在はこの世界を守って保たれるもの。何か起きてからでは、遅いのだ」
「そうか――。だけど僕は……」
亡骸を見て、レオンは呟く。
創造神はため息を吐いた。
「だから甘いと言うのだ。邪王よ、優しさは戦場では捨て置け」
だが、と付け足して創造神は話を続けた。
「お前の尽力で我にも大いなる力が戻った。よくぞ我の存在を広めた。褒賞を与えてやらんこともない」
「何をくれるの?」
「休暇だ。お前の分身をつくってやろう」
手をかざし、レオンを映し取るように分身を二体つくり出した。
「お前と同じ性能のお前の分身だ。便利だろう。一週間しか持たないが、一週間も休めれば充分だろう」
「そんなに休んだことなかったから、ありがたく休ませてもらうよ」
レオンはふ、と笑った。
王にも休息は必要だ。
特に魔王。
体力があるからと無茶苦茶なスケジュールを組んでいたりする。
魔王は仕事が多いので、少し心配している。
倒れたりしないか、と。
それを本人に伝えると怒るので、面と向かって話すことはないが。
魔王は心配されたり、気を遣われたりするのが嫌いなのだ。
如何にもこどもっぽい性格をしている。
交換留学生の宇宙人の少女が、いきなり声を張り上げた。
「どうして何もしてないのに、宇宙人ってだけで殺すんですか!? 神様なのに、その横暴な所業がどうして赦されるんですか!?」
涙を流して血を吐きそうな勢いで問いかける。
納得できないのだろう。
仲間である交換留学生を目の前で消し炭にされてしまったから。
レオンも同じ気持ちだった。
だがもし本当に侵略が目的だったら、殺すしかなかったかもしれない。
侵略者に話し合いは無意味だ。
わかり合えないから侵略する。
手を取り合って仲良くお話しましょうが夢物語なんて、わかり切っている。
「言ったであろう。宇宙人は悪の化身。正義の陽の光に焼かれるのが、悪である証拠だ。我が太陽は悪のみを滅ぼす。邪王が邪な者を引き寄せるのは、その邪な者を見つけ出し成敗するためだ。悪を滅ぼすために生み出した、我が化身。正しくお前は神の子であり、最高神に等しい力を持ち得る存在だ」




