【神授契約】の下、降臨・創造神
イコロスとアクロスは聖なる森の泉に到着すると、翼を休めて丸まった。
卵を守る親竜のようだった。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
レオン達は茂みの中で待機。
神王は禊をしに行った。
「神様になれるのって、凄い体験ですよねー。邪王様はやってみないんですか?」
「僕は神族とは相性が悪いからね。神も同様かもしれない。嫌われて、降りてきてくれないかも」
「そうなんですか~。残念ですね」
「残念かな……? だけどこうして神の降臨を目の当たりにできるよ。いいことだと思うけど」
「神様って、どんな存在なんでしょうね」
「祈ればすべての思いが叶うわけでもないですし、気まぐれなんでしょう、多分」
「そうだね。神は人よりも傲慢で、身勝手な存在なんだと思うよ。だから多くの者を従えている。王も傲慢だからね。僕も傲慢な生き物だ」
レオンは神を知っている。
忠告はありがたいが、随分と我儘な神だった。
この聖なる森で出会った神は、宇宙人を嫌っている。
最初に事件を起こしたのが宇宙人だったからだろうか。
宇宙人は皆が思っているよりも好戦的かつ残酷な種族なのかもしれない。
怜音の遺体を操っていたネクロマンサーも宇宙人だった。
禁忌を犯すことが恐くないのか。
それとも、宇宙の法には禁忌が存在しないのか――。
やりたい放題をしている宇宙人がちょっとばかり羨ましく感じる。
法で縛られるのが生物だ。
禁を犯せば、それなりの痛苦が待ち受けている。
神王が身体を洗い清め終わったらしい。
白い布を着ている。
「今から【神授契約】をする。交換留学生ら、よく見ておくといい」
神王は両手を差し出し、詩を歌った。
『天つ神よ 天つ神よ
我が元に降臨なされよ
我が身体を天つ神に捧ぐ
天は晴れやかに
地は雨つ風を呼び給え
神の思し召しを』
神王が詩を歌い終わると、空は晴れているのに雨風がやって来た。
神が応えたのだ。
そして、神王の身体が光り輝く。
目映いばかりの光が降り注ぐ。
瞳の色は金色からオレンジ色に変わる。
唇を動かすと、神王の声ではない神の声が漏れ出た。
「久方ぶりだな、邪王よ」
「創造神の片割れ? あれ、二柱の神は一柱に統合されなかったの? 確かに、久しぶりだね」
レオンは少しビックリして、挨拶を交わした。
「好きなときに分裂できるようになった。信仰により便利な力を得た。感謝する、邪王レオン。……しかし、この気配。宇宙人だな」
「うん、そう。気を付けていたつもりだったんだけど……」
レオンが言いかけると、創造神の太陽が指を差し出して、宇宙人を何人か光線で射貫いた。
「アレは悪の化身だ。騙されるな」
射貫かれた宇宙人達は血を流しながら創造神を睨んだ。




