国立魔王学園に到着
今日一日は羽を伸ばして休むことにしたレオン。
魔王は昨日完成した全寮制の学校で、魔王の教室を開くそうだ。
レオンはイコロスに日帝まで連れて行ってもらおうと考えた。
神王は神聖な儀式【神授契約】を披露するそうだ。
こちらもどんなものか、是非とも見てみたい。
王の責務を放り出すとき、朝露浪漫と貴族が代わりに仕事をしている。
悪いことをしたらおしおきするのだが、朝露浪漫は仕事には真面目で意外と熱心に働いてくれている。
毎日おしおきして欲しいそうだが、レオンの身体が持たないかもしれないので却下した。
宇宙人は強烈な個性を持つ者が多いらしい。
生命力を吸い取られていくような感覚。
一緒にいると酷く疲れるのだ。
しかしレオンは不老不死なので、回復も超早い。
神王と魔王を引き連れて、日帝へと向かった。
日帝はノースアメリアの西、アルカディアの北西にある。
日本と同じ地形で、小さな島国である。
漁業が盛んになるはずだ。
イコロスもアクロスも喜んで、二人を乗せてくれた。
レオンと魔王はイコロスの背に、神王はアクロスの背に乗った。
「風を味方につけると気持ち良きこと千万」
「アクロスは皆様を乗せるのが好きなようです」
「良かった。なんか、三人で旅……冒険している頃に戻ったみたいで、わくわくするね。もっといっぱい乗せてあげてね」
レオンはイコロスの背を撫でる。
「承知つかまつる」
「かしこまりました! 主様!」
晴れ渡る大空。
白き雲。
上から下へと目線を落とす。
小粒のように小さくなっていく紅蓮城。
まるでジオラマみたいだ。
だがこれが現実の世界。
ゲームやファンタジー小説の中の世界じゃない。
ここで生きる。
生きている。
バッサバッサと翼を広げて、人を乗せる人懐こい竜がいる。
特別な力を持った三王がいる。
そして遠い国からやって来た交換留学生達が日帝の寮にいる。
繋いだ縁を大切にしよう。
レオンはそう心に決めた。
何か過った道を辿れば、また神が忠告してくれると信じて。
木造校舎の中は広々とした廊下だった。
各教室が引き戸で仕切られており、1-2だとか、表札に書いてある。
教室は全部で三十部屋あり、大体千人ぐらいが収容可能人数だ。
学校名は魔王学園。
多分国立だ。
教師も校長も学園長も理事長も兼任すると言ってのける魔王。
めちゃくちゃだと非難すると、魔王は普通ならばどうすればいいのだと訊いてくる。
すべての役柄が一人一つとは限らないが、二つぐらいまでが理想だとレオンは答えた。
「理想はこうだったらいいなという究極の夢物語だろう。魔王学園はそうはいかん。第三のオレの城のようなものだからな」
「それはちょっと違う気がするけど、できるのならいいや。魔王は僕と同じで、仕事が多いじゃないか。絶対できっこないと思ったから、止めたまでだけど。本当にできるの? 無理に見栄張って失敗するのは、男らしくないよ」
レオンはやれやれと頭を振って、理由を話した。




