戦争になったとき、どうする?
「宇宙人と戦争になったとき、お前ならどうする?」
「まずは敵の戦力を確認しにいく。邪竜兄弟を偵察要員にする。攻め入られる前に空船をつくって、迎撃する。僕は【操法】ですべての敵を跪かせる」
「貴様の重力操作能力ならば、圧死させることも可能だろう。何故わざわざ生かしておく必要がある? 皆殺しが正解だ」
「おお野蛮。確かに、敵は全員殺す方が戦争らしいけどね。話す余地くらいは残しておくのもいいでしょ。撤退し、今後一切不可侵を約束するなら生かす。そうでなければ首を落とす……とか。やり方は色々あるよ。それに、僕は宇宙人とも仲良くなってみたいんだ」
手を組んで顎をのせて、夢物語を語るレオン。
神王と魔王は正気か? と言いたげな顔をして、レオンを一瞥した。
「仲良くなりたいのは、良い宇宙人だけだよ。悪い宇宙人に無理矢理従わされるかもしれないじゃない?」
「それでも奇特だ」
「そうだな。邪王らしいと言えば邪王らしいのだが。平和主義者」
「えー、そうかなあ。僕は確かに平和主義だけど、暴れるときは暴れるよ? 大事なものを傷付けられたときとか」
「喧嘩売られたときも例外で暴れていたな、そういえば」
「まーね。相手が神王だろうとお構いなしに、ぶっ壊したからね。僕が本気で戦ったらこの世界もぶっ壊れちゃうから、本気で戦えないけど」
ぶっ壊したい衝動に駆られても、この世界だけは守りたい。
三王の朝まで飲み会は終了した。
三王は仮眠を取って、今日の予定を考える。
レオンの居城で仮眠室はないかと神王と魔王が探した。
二人は豪勢な仮眠室を発見。
早速三王は一、二時間ほど寝ることにした。
ふかふかのソファに横たわって、目を閉じる。
イコロス達が朝の合図を送るまで約二時間。
宇宙人の話で盛り上がっていたが、宇宙人には気をつけろと神に言われたので、警戒はしている。
悪い宇宙人だろうが、良い宇宙人だろうが、本来ならば交わるべきじゃない。
ほんの少しの興味で、世界が滅ぶと言うのならば、捨て置く。
この感情は単なる好奇心だ。
未知なる世界との交信に、胸躍らない王は存在しないだろうとレオンは考える。
考え事ばかりしていて、ろくに眠れもしなかったが、イコロスが大音声で朝九時を告げる。
炎を吐き、紅蓮城の周りを飛び回っている。
アクロスも氷を吐いて、紅蓮城の近くで空中浮遊していた。
「邪王、眠れたか?」
魔王が顔を覗き込んで訊いてきた。
「あんまり……」
ここは素直に答える。
「そうか。では、こっそりサボればいい。今日は交換留学生らには、オレの国を案内するところだ。貴様は邪竜の背にでも乗って、うたた寝していろ」
ポンポンと背中を叩いてくる魔王。
慈愛に満ちた眼差しだった。
「今日のスケジュールはオレと神王でどうにかする。たまの休息だ。存分に羽を伸ばすといい」
「うん。ありがとう」
レオンは両目を閉じた。




