空中飛行酒と洒落込もう
どんちゃん騒ぎをやって、ほろ酔い気分になったレオンは、ある提案をする。
「ねえ、イコロスとアクロスを呼んで、空で飲まない? きっと気持ちいいよ」
にっと目を細めて笑って、小指を立てて梅酒ロックを飲むレオン。
「いいのか? もう眠っているのではないのか?」
魔王が眉を八の字に曲げた。
戦闘狂といえども、良心はある。
だから悪く思っているのだ。
だが問題はない。
血族は皆レオンに忠実。
レオンの頼み事を快く引き受けてくれる者ばかり。
レオンは血族に恵まれているのだ。
「大丈夫。朝まで付き合わせたりしないよ。この広い世界を一周するまで付き合ってもらうだけ」
「一周したら朝を迎えるぞ」
「ありゃ。ボケてたかも」
神王に突っ込まれて、たははと自嘲して、レオンは後頭部を押さえた。
「邪王でも、ほろ酔い気分だと頭が回らないのだな」
「そーかもね」
目を閉じて梅酒ロックを飲み干した。
十杯目である。
今は深夜二時頃。
レオンはイコロスとアクロスを指笛で呼びつけて、空中飛行酒と洒落込むことにした。
「主様楽しいですかー?」
イコロスが話しかけてくる。
「超楽しいー!!」
「主の朋友も」
「オレも楽しんでいる」
「またやりたいなあ」
あっという間に時間が過ぎていった。
朝までにイコロスとアクロスを住処に帰して、三王は再びレオンの城で酒盛りを始めた。
みんな寝ているので、自分達で酒をグラスに注いでいる。
「ふー。この二百年余り、いろんなことがあったね」
「そうだな。宇宙人の奇襲には驚かされたものだ」
「宇宙人とは、一体なんなんだろうな?」
「さあ……未確認生命体? 新種の強い奴?」
思いつく限り、言葉を並べてみるが、正体不明なのが宇宙人だ。
宇宙のテクノロジーも大分発達しているらしい。
「よくわからないものは、考えないに限る」
魔王は腕を組んで、偉そうに唸った。
魔王は頭脳派ではないので、当然と言えば当然だろう。
「考えないで済む問題ならば、放置でいいだろう。しかし、どうも気がかりだ。俺は正体を突き止めた方がいいと思う」
「そう……だよね。僕もなんとなく、今後に関わってくる問題だと思う」
胸騒ぎがする。
交換留学生十人中八人が宇宙人であったことも驚きだが、もし日本の総理が宇宙人だとしたら!?
地球は宇宙人に侵略されていると考えるのが筋だろう。
そして宇宙人は【創魔界】をもどうにかしようとしている。
あの交換留学生ら全員が、良い宇宙人とは限らないのだ。
【創魔界】を脅かす最大最凶の敵になるかもしれない。




