おかしな宗教、魔王教
「とにかく、もう来ちゃったものは仕方ない。次から宇宙人かどうか訊いてみないと。この世界を侵略させはしないから。僕らの世界だ、君達のものにはしない」
大広間に着いた。
長いテーブルと椅子が置かれている。
食事の配膳は鬼女が担当している。
レオンはこめかみを指でつついてテレパシーを送った。
食事の用意を、と命令すると鬼女がワゴンを押して持ってくる。
「お待たせ致しました。本日の昼食です」
レオンが上座に座り、他の皆は適当に座った。
神王と魔王だけはレオンのすぐ傍にいる。
やはり三人セットでなくては、締まらない。
昼食はオムライスだった。
肉のないオムライス。
アメリアでは、卵料理が盛んである。
鬼山家にいたときも卵料理が多かった。
卵はレオンの好物だ。
だが、有精卵だとひよこに孵してしまう。
生き物の命をいただくのは躊躇する、前世の怜音だった。
そしてひよこが鶏になると、卵を産ませていた。
「いただきます」
手を合わせて、みんなでテーブルを囲んでオムライスを食す。
「オレはビールが飲みたい。あるか?」
「ございます」
「俺は冷酒がいいな」
「じゃあ、僕は梅酒のロックで」
「かしこまりました」
鬼女がぺこりと頭を下げて、ワゴンを引いていった。
「みんなは何も飲まないの? ジュースもあるよ」
「お水で充分ですー」
「ジュース飲んだら太るので」
不老不死であるレオンは、姿形が全く変わらないので、彼らを少し気の毒に思った。
好きなように、好きなものを食べられるのは幸福なことだ。
三王は乾杯をして、オムライスを平らげた。
話題は学校の話だ。
「小さな学校をつくったんだけど、いまいちノリが掴めなくてさ。地球での学校って、どんな感じ?」
「んーそうですねえ、軍隊式で規律にうるさく、自由を許さない感じですね。あと、いじめも多いです」
「ふーん、なるほど。ありがとう。じゃあ、それとは正反対な方がいいかな。神王は学校つくる?」
「修道院があるので、学校をつくるつもりはないぞ。特になくても困らないしな」
「ふーん」
「オレは国をつくったら、でかい学校をつくり、魔王教を広める。オレを崇拝させるのだ」
悪役みたいに高笑いをして腕を組む魔王ベアルト。
レオンはジトッとした目で魔王を見た。
「なんだ、その目は。オレの野望にケチつける気か?」
眉根を寄せて、魔王はレオンと見つめ合い、火花を散らした。
「いや、君は相変わらず変な奴だなあと思って」
「変だと!? どこが」
「全部」
交換留学生らは大爆笑していた。
どうやらツボにはまったらしい。




