宇宙人の交換留学生の目的
交換留学生達には、まずは腹ごなしをしてもらうことにした。
腹が減っては、戦はできぬ。
別世界で生きることは戦いと同じだ。
ノースアメリアのレオンの紅蓮城にみんなを招待した。
「オレの国も今日つくることにした。手伝ってくれ」
「急だな」
「そうか。遂に魔王も国をつくる気になったか。いや、しかし天使と悪魔、神族と魔族は仲が悪いぞ。どうするんだ」
大広間へと向かう最中、魔王が大事なことを今告白した。
レオンは突然のことに、短いツッコミを入れただけだった。
「オレと貴様の仲は悪くはない。問題ないだろう。トップが仲良しならば、それに従うのが配下の役目。存分に見せつけてやれば良い」
魔王はさして気にした素振りを見せなかった。
交換留学生達は三王の仲睦まじいところを見て、感心している。
「仲が良いなんて、羨ましいですね」
「何百年も一緒なんですよね」
「そうだよ。君達も国に帰る頃には、百歳を超えているからね。僕らは見た目ではわからない不老者なんだ」
レオンは軽くはにかんだ。
レオンは不老不死。
神王と魔王は不老。
これ以上成長もしなければ、退化もしない、人類の境地とも言える。
「不老なんていいですよねー。私達はアンチエイジング必死ですよ。この歳でも紫外線は油断大敵なんです」
「人間は大変だねえ」
「いいえ、私達は宇宙人です」
「宇宙人!?」
十人中八人が宇宙人であった。
「宇宙人が既に地球を侵略していた……?」
呆気に取られるレオン。
「地球人とも交配が進んでおり、混血も増えています」
「宇宙人の目的は何?」
「我々宇宙人はすべての星を統べるのが目的。先住民とは仲良く技術向上を目指しつつ、裏で操るのが理想」
「……つまり、侵略者ということか」
神王が睨む。
「そういうことになりますね」
「ここで宇宙人の住処はこれ以上やらんぞ」
魔王が宣言する。
宇宙人に侵略されたら、どうなるかわからない。
それこそ、神の言う通りの混沌の時代がやって来るかもしれない。
阻止せねばならない。
「けどどうして話す気になったの? 秘密にしておかないと、やばい感じじゃん」
「我々宇宙人は素直な特性ゆえ、隠し事が困難なのです。人間に化けることは可能ですが、すぐに見破られます」
宇宙人の交換留学生の少女が手を見せた。
六本ある。
ところどころ目がついていて、人外であることを証明させた。
「今回はただ、そちらの文明レベルに興味がありまして、留学させていただいた次第です。竜がいるとは、古代文明も発達しているのですね」
「古代文明か……。確かに、地球では竜種は絶滅したと聞くが」
魔王がうーんと考え込む仕草を見せる。




