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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生

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邪王レオンの里帰り(前世)

 一斉に襲いかかってくる黒服達を重力で跪かせる。

「僕を誰だと思っているの?」

 不敵な笑みを浮かべて、全員の武器を粉々に粉砕した。

「な……!」

「この程度で驚いてもらっちゃ、困るなあ」

 紅く燃えるような後ろ髪を払い、腰に手を当ててレオンは挑戦的な笑みをこぼす。

「僕がその鬼山怜音だよ。覚醒したんだ。【血鬼】としてね」

「【血鬼】として覚醒されたと……?】

 恐れ戦く総理の執事。

 酷く混乱しているようだ。


「しかし鬼山怜音様は今も尚、若大将をされていらっしゃる。貴方様が本物だとすれば、あのお方は一体……」

「その偽者をどうにかしないとダメみたいだね」

「よくある定番だな。有名人を騙る偽者。騙るのがそんなに簡単なのか」

 神王が苦言を呈する。

 だが禁断の外法、ネクロマンシーで死体を動かしているならば、あながち偽者とは言えないかもしれない。

 それは邪王レオンの元の身体ということになる。


「ネクロマンサーにお目にかかれるのか。愉しみだな」

 魔王はわくわくしている。

 レオンは内心舌打ちした。

 自分のことじゃない他人事だから、そんな浮ついたことが言えるのだ、と。

 死体を好き勝手に使われるなんて、赦せない。

 死者への冒涜だ、とレオンは思った。

 魔王のあまりの戦闘狂ぶりに、朝露浪漫を思い出す。


「だが本当にネクロマンサーに前世の身体を操られていた場合、どうする?」

「ぶっ飛ばして、理由を吐かせる」

 拳を手の平に包み込んでゴキバキと音を鳴らす。

 レオンも大概戦闘マニアであった。

 類は友を呼ぶ。




 総理の自宅から一旦出て、出直すことにした。

 責に偽者を片付けてそいつを突き出す。

 口で言っても信じてくれそうにないから。

『鬼山怜音は転生している』なんて、一般人にはわかりっこない。

 行きたくはなかったが、致し方あるまい。

 実家に帰るとする。


 総理の自宅よりも数倍でかい極道一家の屋敷へ。

 本物が帰って来た――なんて、大騒ぎするに違いない。

 思い返すだけで胃が痛い。

 鬼族のみんなのことは嫌いではないが、家のしきたりは嫌いなのだ。

 怜音の性格が歪まなかったのは、奇跡と言えるだろう。


 レオン達は船に乗り、鬼山邸へと向かう。

 こうなったら、正面突破だ。

 自分の家に帰るのに、いちいち許可なんて取らなくていいだろう。

 引き戸を蹴破ることにした。

 鬼山邸に到着した一行。

 レオンは当初の予定通り、引き戸を蹴破った。

 出てきたのは懐かしい面々。

 鬼山怜音の側近、雪鬼せっき

 銀髪を結い上げ、水色と白色の着物を着ている二十代ぐらいの美女だ。

 鬼の角はないが、人外である。


「何奴――!? 貴方様は……!」

 雪鬼は一瞬レオンを睨んだが、すぐに目の色を変えた。

「久しぶり、雪鬼」

「若大将様、お戻りになったのですね……!」

 雪鬼は感動して涙ぐんでいる。

 が、戻って来たわけじゃない。

「戻る気はない。けど、用があって、ここに来た」

 続けて、ネクロマンシーをやっているのか? と問い質す。

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