日本の総理の自宅へ突撃!
例の通り、総理は架空の人物。
第二回目の交換留学に向けて、船が出発した。
向かう先は総理の自宅。
この船は行きたい場所を自動で検知してくれる優れものである。
五次元ならではの最高傑作だ。
アメリカの大統領の自宅に突撃したときと同じ。
今回は、十人の神族と三王のみで交換留学をする。
アメリカの交換留学生達を母国に送り届けるのは、日本での交渉が終わり次第だ。
「初めてこの船に乗ったとき、宇宙旅行にでも行けた気分だったんです」
「面白かったです」
船の窓から外を眺めている。
景色が移り変わっていくのが面白いのだろう。
「宇宙の方が広いだろうけど、建国が見られて面白かったかな。何が一番面白かった? 良かったら、聞かせてくれる?」
「日本の祭りですね」
「お面被ったりヨーヨー釣りしたり。とにかく日本の文化に触れられたのが楽しかったですね。異世界なのに、日本のお祭りなんてと思っていましたが、元日本人が王様ならあり得る話です」
「わたしは竜とお話できたことが一番の思い出です」
「それぞれに思うところがあるのだな。やはりオレの勘は正しいようだ。次の交換留学先が日本で良かっただろう、なあ邪王」
「君ほど好戦的な人が、まさか非核三原則を謳う日本を選ぶとは思わなかったな」
「貴様を立てたんだ」
「僕を? 嘘吐けよ、君はそんなに謙ってない」
「バレたか。なに、興味本位だ」
遂に、日本の鴨井総理の自宅へ突撃した。
ばかでかい屋敷に住んでいる。
「たーのもー」
魔王は玄関のドアをドンドンと叩いた。
不審者極まりない。
「道場破りじゃないんだから。っていうか、僕が出た方がいいかも?」
「おお、日本の最高権力者鬼山家の若大将ならば、話が早いな。だが今の姿で説得できるのか? どこからどう見ても鬼っ子だぞ」
神王が怪訝な表情で告げる。
レオンはうーんと考え込む。
「僕には人に化ける能力が……って、そんなもんはないよ。こうなったら、前世の自分の名前を出すしかないなあ。多少なりとも取り合ってくれるでしょ」
「だと良いのだが」
インターホンを押して、レオンが半分本当で半分嘘を吐いた。
「鬼山怜音なんだけど」
『お引き取り願います。本物の鬼山怜音様は存命です』
返ってきた言葉が虚をついた。
なんだと!? とレオンは目を見開く。
おかしい。
確かに、自分はあのとき死んだのに。
そのあとどうなったかが日本に来てわかる気がする。
『今現在も若大将をやられています。名を騙る偽者ですね。排除します』
ドアが開き、拳銃と刀を持った黒服の集団に取り囲まれた。
「武力行使も辞さない所存です」
「あっそう……。本物なんだけどなー」
外法に手を出したに違いない。
法を犯すネクロマンシーという外道に手を染めたか。




