表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生
4/175

不老不死は不幸の始まり

 屋敷の中に連れられて、客間に案内された。

 高価なシャンデリアが天井にぶら下がっている。

 絵画や家具類も全部1万ドルを超えそうだ。

 一体どれほどの財産を持っているのか、想像にかたい。

 客間に着くと、ふわふわの黒いソファに全員座らされた。


 SP達はレオン達を取り囲むようにして、後ろ手を組んでいる。

 だが、地獄の炎を見舞われ、銃が効かないことはわかっているはずだ。

 とりあえずそこにいるだけで、万が一があったとき、大統領を守れる者はいない。

 レオン達がたまたま友好的な外交を望んだから良いものの、本来ならば全員死亡の結末を辿っていたかもしれない。

 大統領が突然現れた敵と見なしてもおかしくなかった。

 レオンに交戦の意思がないことを悟った彼は、見る目があるのかもしれない。


 アメリカの大統領は日本の総理よりも命を狙われやすい立場だ。

 なんせ、地球では世界の王に等しい権力を持つ者だから。

 【創魔界】の王達と地球の王たる存在、対等な立場で話を進められる。


 レオン達は腹を割って話した。

 地球上のあらゆる情報を教えて欲しいと。

 そのために交換留学をしようと。

 百年ごとに地球のどこかに遠征しに来ると。

 こちらの時の流れが凄まじく早いので、できるだけ生に執着しない者がいいと条件を出した。


「しかし、不老不死になることはできるのか? 貴殿のように」

「余は地球からの転生者。裏社会の長、鬼山一族の若大将だった。それが余の前世。不死であることは認めるが、不老かどうかは存ぜぬ」

「貴殿を研究すれば、不老不死になれるかもしれない」

「余の血を分け与えても、眷属になるのみ」


 邪王レオンが唯一無二の存在であるのは、不死だからだ。

 存在そのものが強烈すぎて、誰も倒せない。

 神でさえも、レオンを倒すことは不可能。


「天下の大統領が不老不死の秘薬を手にできれば、怖いものなしか。しかし、不老不死と言っても、痛みは感じるものだ。永遠とわの生を後悔するほどの痛みもな」

「不死であれば、暗殺も何もかも怖くはないではないか。私は貴殿が羨ましい」


 羨ましい、その言葉はレオンを苛立たせた。

 何も知らないのに口走る、否、何も知らないからこそ出てくる言葉だ。

 鬼山怜音が願ったのは、もっと強くなること。誰よりも強くなること。

 決して死を迎えたくないという願いではなかった。

 神の悪戯により、願いではなく、更なる呪いをかけられた。

 欲しいものは、中々手に入らないものだ。


 レオンは、永遠の生が欲しかったわけじゃない。

 代われるものならば、代わってやりたいとも思うほどの地獄だ。

 誰も同じ時を歩めないのだから。

 唯一無二は、永劫の不幸とも結びつく。


「この職に就いていると、命がいくつあっても足りないことがある。悲しいほどに」

「影武者を何人も用意すればいい。クローンぐらいつくれるだろう」

 と、魔王ベアルト曰く。

「つくっている。しかし、連中はいつでも私を殺せると脅迫してくるのだ。奴らに対抗するすべなどあるのだろうか……」

「ならば護衛をつけよう。今回の申し出を受けてもらう代わり、この神王ザッハが其方そなたを守る。俺自身が守るのではなく、俺の子孫らが、だがな。我らには神がついておられる。其方にも神の加護があらんことを」

「それはありがたい」

 大統領の顔が明るくなった。

「して、期間はどの程度に」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ