遠い未来は、戦により混沌と化すだろう
妖精のように小さい神の正体は、なんと【創魔界】をつくった神、創造神ヨウゲツだった。
【創魔神】とも呼ばれている。
それが邪王レオン信仰へとすり替えられ、力を殆ど失ってしまっている状態だと言う。
だが、誰にも負けない強い王を生み出してしまった神の自業自得である。
くだらない逆恨みだ。
「我は未来から来た……。だからこそわかることもある。すべてお前が招いた種だったのだ。遠い未来はカオス。血で血を洗う恐ろしき末世が待っている」
レオンを指差す太陽神。
「わたし達はどうにかそれを止めねばならないと思い、貴方をここへ呼んだのです。聖なる森にて、邪王の力を少しでも抑えるために」
「僕の選択肢が間違っていたってこと? 具体的にどこがどう悪いのか、説明してくれないと困る」
「今から数千年後、お前は戦う。人類と」
「人類と……?」
レオンは呆気に取られて、鸚鵡返しをした。
「もちろん、貴方は勝利する。だけどその戦争はあまりにも凄惨で、敵味方双方に大打撃を食らうのです。そして貴方は天照から罰を受けるでしょう」
「神王も魔王もあんなに強いのに、戦争が起きる? もしかしたら、その戦争で死ぬかもしれないってこと?」
レオンは頭の中がぐちゃぐちゃになった。
出された情報に混乱している。
「戦争を起こしたのは神王。だが主な原因はお前ということだ」
ぎろりと太陽神に睨みつけられる。
心当たりはない。
しかし胸騒ぎがするような気がする。
目の前の妖精のように小さき神が、嘘を言っているようには感じられない。
だからこそ、言い知れない恐怖のような感情を覚えてしまう。
「神王が僕のせいで戦争を起こす……? なんで? どうして? 僕は、戦争は好きじゃない。前世の拷問一家のやり方も嫌いだったんだから。何か間違いが起きたんでしょう? なんでそんなことに?」
レオンは早口でまくし立てる。
小さき神の言っていることは真実だと思う。
だが信じ難い。
歯車が噛み合っていないように感じた。
「詳しいことはわたし達にもわかりかねるのです。断片的な記憶の欠片を見て来ました。わたし達は戦を止めたい。ですが、それは叶わぬことなのです。未来は……いくつかある未来の一つが決定付けられてしまった。わたし達が二柱の存在として分かたれたときから」
荘厳な物言い。
聖なる森の空気がピリついた。
レオンはごくりと唾を呑み込む。
未来が知りたい。
だが知ってはいけないような気さえする。
レオンの迷いを二柱の神は察知したようだ。
「とにかく、お前は今後宇宙人に気を付けねばならない。あれは危険だ。悪である。あれこそが邪悪の化身」




