邪王レオンの国づくりは続く
地球では、家畜として飼われていた豚や牛、鶏などもいる。
ここでは、その運命を押し付けずに、餌を与えてやって長生きさせてやるつもりだ。
食われるために生み出される生命、ベジタリアンの怜音は心を痛めていた。
人間は基本的に雑食で、食えるものはなんでも食うから、動物を可愛いと思いながらも、極上の味だったら食ってしまうのだろう。
それを罪深いと思う。
だが、人の好きなものを否定する権利が己にはないともレオンは思っている。
邪王レオンは次々と新たな血族を増やす。
数十万を超えたところで、レオンは血族達にテレパシーで命令を下した。
『これから種族の棲み分けを行う。それぞれ住処をつくれ。僕が住まう城の用意は鬼族に任せる』
木を伐採したり、鉄筋をつくったり、超スピードで家々をつくっていくレオンの血族。
食べ物は野菜ばかり。
肉食を禁じているわけではないが、王であるレオンの意思を汲んでいるのだろう。
誰も衝突せず、平和で愉快な国づくりが始まった。
「私達も手伝いますよ」
「力仕事には、自信があるんです!」
「邪王様、任せてください」
交換留学生達がそう言うので、気球から降ろした。
「若者だけにいいカッコさせてはいけないな」
「そうだな神王」
神王と魔王もアメリア建国に尽力した。
農園をつくったり、遊園地をつくったり。
確かな技術で国がつくられていく。
夢と希望の満ち溢れる新世界が。
皆が退屈しないよう、娯楽施設も充実させた。
それをたった一日でやってのけてしまうので、皆働き者だ。
早くて一週間はかかるだろうと思っていた。
「こんなに早く開国準備が整うなんて」
「これは開国祭が楽しみですね」
「まだ何も言ってないんだけどなあ」
神王が調印すれば、国として認められたことになる。
【創魔界】では、アルカディアしか国がないから。
公用語はアルカディア語である。
アメリアでは英語や日本語も公用語になりそうだ。
アメリアをつくったのが、アメリカと日本のハーフの鬼山怜音の魂を持つ邪王レオンだから。
どどんとでかい城が建った。
【血鬼】を象徴する紅き城。
ところどころ悪魔的なデザインだが、赤髪赤目の邪王レオンの居城としては申し分ないだろう。
住み心地はきっと良いはずだ。
命令しておいた。
あとは、アクシデントで眷属になってしまった少女、ヤルダバオートの処遇をどうするか、だ。
いつまでも神王に任せきりなのも良くない。
観念して彼女を本当の家族のように迎え入れるべきだろうか。
それにしては、問題児がすぎる。
多分、特殊性癖だ。
近寄りたくはない。
だが、彼女も変わると信じるしかない。




