邪王レオンの目指す王国
「イコロス、神王城へ向かってくれ。あそこだ」
指を差して、邪竜イコロスに命令する。
イコロスは口から火を噴いて、発進した。
「神王! 魔王! やっほー!」
大声で呼びかける。
神王達は寝室の窓から驚いた顔を出した。
「ドラゴンだ……!」
「邪王が乗っているドラゴン、オレも欲しい」
「交換留学生達を連れて来なよ。面白いものを見せてあげるから」
レオンはにっこりと笑顔で二人に向かって言った。
「ああ。見に行く」
「オレも魔族達を地上で生み出そうか……」
「支度ができたら教えて。イコロスが乗せてくれるってさ」
「ドラゴンに乗れる!?」
「待っていろ!! すぐ支度する!」
三王が仲良くドラゴンで三ケツである。
邪竜イコロスは寛大な竜だった。
親がレオンだからだろうか。
忠誠心に篤く、真面目で謙虚なところがある。
「交換留学生達も乗せたかったんだけど、定員オーバーだね」
邪竜イコロスは気球に乗せた交換留学生達を運んでいる。
翼をバッサバッサと上下し、大空を駆け巡る。
風が心地良い。
「なんか、冒険って感じ」
「確かに」
神王が頷く。
「そうだな。三王で冒険は、若い頃を思い出す」
「僕の血で動物も生み出せるかな」
「やってみるといい。俺が生み出せるのは聖人や神族ばかりだった。邪王はもっと多くの種族を統べる王になれるだろう。俺はお前のことを尊敬しているからな」
「主様ならば、可能かと思います」
本の数分ほどでアメリア王国(予定地)に到着する。
「みんなに紹介するね」
と言いながら、また血を垂らして血族を増やすレオン。
今度は動物を数千匹生み出した。
多種族共生社会、果たしてうまくいくだろうか。
「僕の血族達だよ」
両手を拡げて、アメリアの邪王の血筋を自慢げに教えた。
アメリアはアルカディアから見て東の方角。
ノースアメリアとサウスアメリアの二つに分かれた国になる予定だ。
この辺りは地球のアメリカ合衆国に似ている。
「たくさんいますね」
「血でこんなにたくさんの生物が生まれるなんて……!」
「まだまだ増えるんですね」
「動物園をつくったりして、棲み分けは大事だけどね」
まだ国づくりの指示を出していないので、野生のまま自由に行動しているレオンの血族達。
邪王が生み出したので、全員邪力を持っている。
だが、誰も殺し合いなどは始めず、平和そのものだ。
一応棲み分けを考えている邪王であるレオンの側近達を貴族階級にしようと思っている。
王の補佐をするのに相応しい血族を。
そうなると、やはり前世と同じく鬼族か。




