血族を生み出せ
交換留学生達がクロノベッドで若返ると、メドと同じく幼児になった。
「凄いです! 全身から力がみなぎってくるようです!」
「気持ち良かったです。なんか、優しい感じがしました。母に抱かれているような」
「百年間も留学できませんもんね。若返らなければ。秘薬でもあるのかと思いましたが、案外ベッドで眠るだけですか。簡単なんですね。つくるのも簡単でしたか?」
「僕には簡単に見えたけど、どうだろう。メドに聞かないとわからないや」
「難しかったですよ?」
つくるのに、時間がかかったので簡単というわけでもないらしい。
「向こうに帰る頃には、元に戻っているように調整しよう。こっちではなんともなくとも、あっちでは不便でしょう? 秘密も知られてしまうかもしれないし」
「そうですね」
「その通りです」
ぱたぱたぴょんぴょん飛び跳ねて返事をする幼児になった交換留学生達。
可愛らしくて、三王もつい和んでしまうのだった。
レオン達は成長した姿で生まれたので、幼児の時代はなかった。
今の姿と変わりない。
「今日は晩ご飯を食べてお風呂に入って……あっちで日常的にしていることをして寝よう。明日は国をつくる。その歴史的瞬間をきちんと見られるように、今日はぐっすり寝てね」
予定していたアメリア王国をつくると宣言するレオン。
「楽しみです!」
「一日でつくれるんですか?」
「さあ。それはつくってみないとわからない」
「邪王が治める国か。自由で楽しいだろうな」
神王が遠くを眺めて囁くように呟く。
「神王が治めているこの国も、いい国だよ」
「そう言われると歯がゆいな」
「いつかオレも国をつくろう。三王らしい国をな」
三王は拳を当てて、笑い合った。
翌日。
レオンは一リットルの血を用意した。
すぐに回復するので一日で四十リットルほどの血を使える。
血族を大量に増やして国をつくる。
レオンの血でつくれる種族は人外ばかり。
初めにつくったのは竜だ。
邪竜イコロスと名付けた。
邪竜イコロスはレオンに懐き、レオンを背中に乗せた。
宙を飛び回り、嬉しさでいっぱいの様子。
レオンは指先から血を垂らし、新たな血族を生み出す。
次は鬼族を。
懐かしい気持ちになる。
「主様、我を生み出してくれてありがとうございます」
「自分の血でこんなに簡単に生まれてくれるんだね。もっとたくさんの種族をつくろう」
「ありがとうございます、邪王レオン様」
数十人が跪いて、レオンに礼を言う。
「あっちでもこんな感じだったかな……」
頬をかいて、レオンは応える。
地球の日本で、鬼族の長をやっていたときも、こんな風に隷属されていた。
命令すれば、なんでも聞くといった体で。
次に獣人を数十人生み出した。
「ありがとうございます、主殿」
獣人達も跪く。
生み出された彼らにとって、邪王レオンは神同然。
崇め奉り、決して裏切らないだろう。
レオンは次なる血族を増やす前に、神王達を呼ぶことにした。
交換留学生にとっても、貴重な出来事だろう。




