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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生 中編

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204/205

正体を明かす

「不老不死の妖を見るのは、初めてじゃ。のう、武蔵。妖と仲良くしても良いが、人間はご法度じゃぞ。妖と人間の恋愛・結婚は禁止されておる。破ったら、どうなるか知らんぞ」

「お父さんも知らないんですか」

「やったことがないからじゃ。貴様は禁忌を犯そうとしておる。儂でも庇いきれんぞ。妖と人間、両方から狙われる。そして産まれてきたこどもは、背負わなくてもいい業を背負わねばならん。貴様の一時の過ちのせいで。責任を負えるか? 武蔵よ」

「できる限りのことはします。覚悟の上です、お父さん」


 武蔵は火のついた目で真剣に向き合った。

 そうだ、怜音が不幸だったのは、すべて父親である武蔵のせいだ。

 妖と人間のハーフでどちらの仲間にもなれず、迫害されてきた。

 怜音を受け入れてくれたのは、孤児であった鬼族のみ。

 人間達はのちに裏切るので、仲間ではなく、便利な道具としてしか見なしていなかったのだろう。

 怜音に懸賞金がかけられていなければ、裏切られることはなかったかもしれないが。


 しかし、産まれてきた家のしきたりで、当主は敵対する悪鬼どもを拷問にかけて、殺さねばならなかった。

 まともな神経をしていれば、心が壊れてしまうことを、いやいややり続けなければならなかった。

 その掟から解放された怜音は幸せになれた。

 邪王レオンは幸せで、心から愛する家族や仲間を幸せにしたいと感じている。

 今、幸せなのは、前世である鬼山怜音の生もあったからだと思う。

 だから、前世の人生も無駄じゃない。

 幸せになれなかったからこそ、幸せになりたいという欲望で、人一倍努力して頑張れたのだ。

 自分の本当にやりたいことを見つけられた。


「ねえ、これを言ったら、未来が変わるかな」

 みんなには見えない、自転車型タイムマシンに話しかける。

『ソウデスネ。デモ、言いたいのデショウ?』

「うん」

 レオンが独り言を急に言い出したことに、三人は驚いている。

「どうかした? レオン君」

「未来、変わる……? どゆコト?」

「きゅーてぃぼーい、何か見えておるのか?」

「うん。僕は二人のこどもの魂を持つ、未来から来た異世界の住人なんだ」

『アー……! 言ッチャッター!』

 AIが頭を抱えていそうな声音で喋った。


「私達のコドモ……?」

「俺の子……? レオン君が?」

「何ィッ⁉ 真か⁉」

「真です。ビックリした? まあ、ホントは言うつもりなんて、なかったんだけどね。どうしてもお父さんを納得させたかったように見えたから、助け舟を出しちゃったよ、アハハー」

 レオンはニコニコとした笑顔で、ケロッとした軽めの声で茶化すように言った。

「どうして、この時代に……?」

「それは、二人が禁断の恋をした理由を知りたかったからじゃないかな。どうして、わかっていて、僕を産んだんだろうとずっと思っていたから。この世界に来たのは、偶然。必然だったかもしれないけどね」

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