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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生 中編

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203/205

この時代の鬼山の当主と会う

 頼んでいた注文の品が到着した。

 レーンの上に載ってきて、全員分の皿をテーブルの上に置く。

 商品を取り終わると、自動でレーンに流されていく。

 レオン達は手を合わせて、唱和した。

「「いただきます」」

「イタダキマス」


 食べ物への感謝の気持ちを表す言葉。

 育ちの良さがところどころ出ている。

 武蔵は鬼山家の跡取りなので、当然の振る舞いだが、メリーは一般家庭の出身のはずだ。

 品のある佇まいは、アメリカのレディとして当たり前のことなのだろうか。

 メリーは大トロを咀嚼しつつ、ごっくんと飲み込んでから、切り出した。


「……それで、ムサシサン、私と付き合って欲しいんデスケド」

「家のしきたりで付き合えないんですよ。ごめんなさい」

「私、あきらめナイワヨ。あきらめの悪い女って、よく言われるモノ」

「食べ終わったら、家に連れて行くんでしょ? じゃあ先に既成事実つくっちゃえばいいんじゃないですか」

「レオン君……何を言い出すの……?」

「武蔵さんのお父さん、堅物なんですよね。だったら駆け落ちするくらいの覚悟がないと、一緒にはなれない。好きなんでしょ? メリーさんのこと。ずっと見ていれば、わかる」

「レオンクン、それホント? ムサシサン、私のこと好きナノ?」

 メリーが口元に両手を当てて、頬を紅潮させて舞い上がっていた。


「バレてた……?」

 アハハと笑いながらも、武蔵も同じように照れていた。

 お似合いのバカップルだ。

 食べ終わって、鬼山家に向かうことになった一同。

 懐かしい我が家を見て、レオンは感慨深く思った。

 風情はいつの時代も変わらない。

 武蔵が玄関の鍵を開けると、腕を組んで仁王立ちになっている、頑固そうな爺が現れた。


「武蔵……! 貴様また見知らぬ者を連れてきおって……! うちは殺し屋にも狙われるような一家じゃぞ……! まるで危機感が足りておらん! 精進せい!」

 帰って来るなり、地獄の底から鳴り響くような重低音で喝を入れられている武蔵。

 武蔵は頭をぽりぽりとかいて、父にペコペコと頭を下げている。

 社長に怒られる平社員のようだ。


「すみません、お父さん……。ですが、私、人を見る目はあると思います。ここに来てくださったメリーさんとレオン君は優しくていい人だと思います。ほら、レオン君は若い頃のお父さんにそっくりでしょう? 運命ですよ、運命」

「ふむ……。確かに似ておるな……。きゅーてぃぼーい」

 あごひげをさすりつつ、レオンをまじまじと見つめる武蔵の父。

「あの……」

「なんじゃ、きゅーてぃぼーい」

「僕、貴方より年上なんですけど」

 と言っても、未来の別世界から来たので、怜音の祖父の方が年上なのだが。

「な! 真か‼」

「真です」

「もしやお主は……不老不死?」

「大当たりです」

 

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