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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生 中編

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201/205

いざ、寿司屋へ

「武蔵さん、ご飯食べたあと、家に連れて行ってください!」

「え、う、うん。いいけど……なんで?」

(祖父に会ってみたいというのが本音だけど)

「そりゃ、日本の最高権力者がどんなものか、見てみたいと思うものです」

「ああ……親父に会いたいんだね。いいよ、レオン君とは初めて会った気がしないし、悪いやつでもなさそうだし」

「私も連れてイッテ欲しいワ」

「メリーさんも……? いいですよ」

「ねぇ、私タチ、付き合わなイ?」

「え?」

 付き合おうと切り出したのは、メリーの方だったかとレオンは思った。

 だが、妖と人間の恋愛は禁忌とされている。

 武蔵はメリーの言葉を拒絶できなかったのだろうか。

 掟を破ることには、抵抗があったはずだ。


「いや……俺は極道一家の次期当主で……それに、人間との恋愛は禁止されているから……」

 武蔵は困ったように頬をぽりぽりとかきながら言った。

「ゴクドーッテ、何?」

「わかりやすく言うと、ヤクザ」

「ヤクザ……。悪い人?」

「まあ、一般には反社だと思われているだろうけど、俺の家は違う。逆に反社を潰すことを目的としている。反社狩りの鬼族。悪いやつらを徹底的に狩る。だから敵も多いよ」

 武蔵はメリーに諦めるように説得する。


 すると、メリーの顔がぱあっと明るくなり、綻んだ。

 手を組んで、うっとりとした表情で、言葉を発する。

「まぁ……! 素敵‼ まるでアメコミヒーローじゃないの! 日本にもコミックはあったワネ。私、日本のコミックが大好き‼ 主人公が悪を倒すのナンテ、カッコイイジャナイ‼ ムサシサンハ、ヒーローね‼」

 こどもみたいに、まっすぐな笑顔で迫られて、武蔵は顔を赤くしていた。

 親ののろけを存分に見せつけられて、いたたまれない空気のレオン。

 いつも茶化してくるタイムマシンのAIは、何も言ってこない。


「ヒーローか……。そんなこと、言われたの、産まれて初めてだなあ……」

「お次のお客様ー!」

「あ、はい。三名です」

「では、お席にご案内します」

 にっこりと作り笑顔を浮かべて、奥の四名掛けのテーブルに案内してくれた店員の女性。

 タッチパネルの操作などを説明したあと、そそくさと立ち去って行った。

 レオンには、店員がイライラしているように見えた。

 何故だろう。

 失恋か何かしたのだろうか。

 家族っぽく見える(実際に血縁だが)レオン達が、地雷だったのかもしれない。


「店員の女性、なんか、怒ってたように見えましたね」

「うん……。いやなことでもあったのかな」

「人生いろいろデスヨ。あの人もまだアルバイト。心が痛んでいることを隠せないトキ、アリマスヨ」

「そうですね。さ、注文どうぞ」

「では、私は早速大トロを」

「いいですねー! 大物からいきますか」

「僕はうどんとポテトと赤出汁で」

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