表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/194

遠い日の思い出、神王と邪王の喧嘩

 勿論、神王は邪王レオンのことも人一倍気にかけている。

 本当の兄弟のように。

 三王は、種族は違えども素晴らしい仲間である。

 神族と魔族は、本来は相容れぬ関係。

 だが神王と魔王は仲が良い。

 神王は真面目だが、多少冗談を言える茶目っ気もあるからかもしれない。

 二人は敵対する種族の王なのだが、コンビを組めるほど仲良しである。

 その二人の仲に、レオンがクッションのように挟まっている。


 皆の元に飲み物の入ったグラスが置かれると、神王がグラスを持って口を開く。

「では、邪王レオン様に、乾杯の音頭を上げていただくとするか」

 ニヤリと口の端が持ち上がっている神王。

「よろしくな、邪王レオン様」

 魔王も悪戯っぽい笑みを浮かべて、レオンの方を向く。

「君達に様付けで呼ばれると、気色悪いんだけど」

 苦々しい表情で、悪態をつくレオン。

 何か良からぬことを考えていそうで、腹の中を探りたくなる。


「「「「「よろしくお願いします」」」」」

 交換留学生達も頭を下げて請うので、観念してレオンは一つ咳払いをした。

「神王、魔王、そして交換留学生のみんな……今日からよろしく。……乾杯!」

 グラスを掲げて、全員が乾杯と復唱して、近くの者同士でグラスを合わせる。

 チン、と小気味良い音が鳴った。

 皆それぞれに食べ方が異なっている。

 レオンは異文化交流は新鮮だと思った。


 食事の時間が早く流れていく。

 楽しい時間は永遠には続かない。

 次のイベントを早く催せと神が言いたげに。

「牢屋に繋いだあの人には食事は与えないんですか?」

 交換留学生の少女が心配そうな顔をして、訊ねた。

「牢屋番が持って行くので心配ない。それに、一週間ぐらい飲まず食わずでも死にそうにないぞ、あやつ。邪王に手傷を負わせるほどの手練れだからな。魔王ですら、狙われていたら危うかっただろう」

 神王は声色こそ冷静なものの、腸が煮えくり返っているほど、怒りをはらんだ目つきをしていた。

 大事な玩具を他人にぶち壊されて、怒り心頭に発するこどものように。


「邪王様は手傷を負わないのが普通なんですか?」

 興味を持った交換留学生の少年が訊いてくる。

「強力な結界を常時張っているよ。ミサイルが飛んで来ても、無傷でいられるほどだから」

「へー、凄いですね。核ミサイルでも敵わないんですね」

「一度邪王と喧嘩をしたことがあるのだが、どんな兵器も通用しなかった。化け物かと思った」

 神王が肩を竦めさせて、摩訶不思議な物体を見るかのようにレオンを見つめた。

「よく言うよ。最新鋭の超弩級戦艦を何隻も用意したくせに。あれを開発するだけで化け物だよ。そっくりそのままお返しするね」

 二人は遠い日を思い出す。


「お一人で戦ったんですか?」

「うん」

 けろっとした顔でレオンは答えた。

「愉しかったよ。神王が悔しがっている姿を見るのは」

「正に、規格外の強さなんですね、三王様は」

「終焉のラッパすら効かない。……全く、敵でなくて良かったとほんに思う。強すぎだ。どうすれば倒せるんだ、お前は」

「ただの重力使いだよ。人外なのは認めるけど」

 それ以上に操れる対象があるが、レオンはおどけてみせた。


 邪王レオンは重力で、自分の体重を制御したり、対象を圧し潰したり、無重力で相手の自由を奪ったりすることもできる。

 コウモリのように逆さ吊りになっても平気だ。

 垂直の壁も真上や真下に走れるし、水上も走れる。

 空中戦も得意で、苦手な分野はない。

 反重力アンチ・グラビティもレオンには一切効かない。

 伝承にある吸血鬼ほど弱点がないので、一人で国を滅ぼすのも朝飯前になる。

 今のところ、弱点は『聖力』だけである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ