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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生 中編

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199/205

目の前で繰り広げられる、恋のやりとり

「ふふふ。貴方達、トッテモ仲良しサン」

「どこが」

「レオン君には、喧嘩売られているだけですよー」

 武蔵は愛想笑いをして、メリーにツッコミを入れた。

 メリーは首を横にぶんぶんと振る。

 そして花のように満開の笑顔を咲かせた。

「だって、わかるモノ。貴方達の出会いは、偶然なんかじゃないワ。必然だったのヨ。周りの人ト、雰囲気が違う。本当に家族ナンデショウネ」

「……」

 レオンはメリーの勘の鋭さに、閉口した。

 黙り込むレオンを心配してか、武蔵がレオンの肩に手を置きたそうにしている。


『ツンデレ邪王様ー。ツンデレ、ツンデレー‼』

「うるさいな!」

 ゴツンと自転車型タイムマシンを殴りつけた。

 突然のことに、武蔵もメリーも驚いている。

 他の並んでいる客まで、ドン引きしていた。

「私ト貴方の出会いモ、キット必然ネ。私ニハ、貴方が運命の人だと感じているワ。直感なのデス」

「俺も……だけど。俺、妖なんだけど、貴方は人間?」

「ロマンスは外でやるなってば」

 レオンがジト目で、二人の世界に水を差す。

 見ているこっちが恥ずかしくなるほど甘々なムードだ。


 武蔵は財布を拾っただけなのに、逆にお礼をされる方なのに、女性を立てて守ろうとする。

 メリーは奢られるのに慣れているのか、何もおかしいと思っていないようだ。

 変わった夫婦だなとレオンは思った。

 今はまだ夫婦ではないが。


「私ハ人間ヨ。齢は今年で二十歳。妖って、どうやって生まれてくるの?」

「さあ。起源はわからない。俺は鬼なんだ。【血鬼】っていう、最強と呼ばれている鬼。希少な種なんだよ。生まれ方は哺乳類と一緒かな」

 そうだ。

 父親が【血鬼】だったから、怜音も【血鬼】だったのだ。

 前世では人間の血が濃すぎたのか、覚醒することはなかったが。


「だけど、武蔵さんは髪も目も赤くない。【血鬼】なら、僕のように赤くなるはずだ」

「俺は、髪はカツラを被ってるし、目はカラコンでごまかしている。角はたまたま生えてこなかった。だから見た目では鬼だと思われない。外を気楽に歩けるんだ」

 呵々と朗らかに笑う武蔵。

 純日本人らしく、黒髪黒目にしたことは正しい判断だろう。

 レオンも変装してみようかとふと思いつく。

 それなら、人目を気にせずいられる。

 変装していれば、誰も邪王レオンだと気づかないのではないか。

 レオンは武蔵から良いアイディアをもらった。


「……そういえば」

「ン?」

「レオン君は赤髪赤目だね。もしかして、【血鬼】?」

「……ああ、はい」

「そうか。確かに、君と出会ったのは、運命かもしれないな。だけど、変装はしなくていいのかい? 差別を受けるはずだ。妖はまだ総数が少ない」

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