回転寿司屋の行列
最寄りの回転寿司屋に着いた。
中は満員で、行列ができていた。
ちょうど昼飯時だから。
レオン達は暫く外で待つことにした。
レオンは自転車型タイムマシンを店内に持っていくつもりだ。
誰にも見えないステルス機能つきなので、大変便利である。
しかし、誰にも見えないため、タイムマシンのAIと話すときは充分注意しなければならない。
度が過ぎると病院に連れていかれたり、最悪の場合は、警察に突き出されたりする。
変な人は何をしでかすか、わからないからだ。
怪しい者はこの国では徹底的に排除していく。
それが、最高権力を持った、鬼山家が課したルールだ。
「待ち時間、一時間か……。すみませんね、すぐに入れなくて」
「貴方ノせいじゃありませんヨ。気にしないでクダサイ」
「そうですよ。たまたまこの店が人気だっただけです。貴方は何も悪くない。……それより、鬼山の当主がこんなところをほっつき歩いていて、いいんですか?」
『オ! 核心ヲ突イタ、イイ質問デスネ!』
「……どうして、それを?」
武蔵は言い当てられて、目を丸くしている。
レオンは続きを喋った。
「鬼山家の当主と言えば、この日本国の最高権力者。知らない者は幼児まででしょう?」
「そうかー。俺はそんなに有名人になってたのかー。メディア露出とかは全面禁止してるんだけどね。そんなに有名なら、解禁しても問題ないかなあ」
あははと後頭部を押さえながら笑いだす武蔵。
「メディアに出るなら、暗殺も必要以上に覚悟しないといけませんよ。お金欲しさに情報を売る悪党なんて、たくさんいるんですから」
暗殺された当人が言っているので、説得力は絶大だ。
だが、ここにいる武蔵とメリーは、邪王レオンが未来の息子の姿だとは知らない。
忠告も第三者に偉そうに言われているとしか思わないだろう。
「ありがとう。肝に銘じておくよ」
にこっと人のいい笑みを浮かべて、忠告を聞きいれた。
武蔵は怜音と同じで、心の広い人物のようだ。
妖であっても、人型であれば人と認識する。
対人系の術が効くので。
鬼石にかけた人体操作の上位互換、人体破壊も人型の妖や人型の宇宙人に有効。
「レオンクン。貴方ッテ、未来ガ見エルノ?」
メリーがキョトンとした顔で訊ねた。
レオンは答える。
「未来が見えるわけではないですが……僕の経験則というか、まあ実体験ですね」
「レオン君は、有名人なのか⁉ 俺は全く知らなかったが……」
「ああ、あの、別世界では有名人です」
地球の数十年後も別世界みたいなものなので、間違ったことは言っていない。
『モウチョットデ、正体ガバレルトコロデシタヨ』
「ダイジョウブだよ。バレても、多分、記憶が消されるだけだから」
「レオン君には、人に視えないモノが視えているんだね』
「ソレッテ、素敵ヨネ」
手を合わせて、メリーが女神のような微笑を見せた。
レオンは面食らう。




