とりあえず回転寿司屋へ
「ここで知り合ったのも何かの縁。三人で食事でもいかがですか?」
「イイデスネ! 私、日本ノ料理、好きデス!」
「食事……。肉類じゃなければ、大丈夫ですよ」
レオンは愛想笑いを浮かべて、武蔵の誘いを受け入れた。
「お寿司を食べに行こうと思っていたんだけど……レオン君は苦手だったかな?」
武蔵は冷や汗をかいて、頬をポリポリとかいた。
「生き物をできるだけ食べたくないだけです。気を悪くされたなら、謝ります。ごめんなさい」
「生き物、食べナイノ……? 優しいのネ、レオンさんは」
「そうですね。今時、珍しい。鬼族なのに、生き物を食べないなんて。うちの親父にそっくりだ」
「僕が祖父に似てると……?」
「え?」
言ってしまってから、レオンはハッと気づいた。
この年代は、自分は産まれていない。
だからおかしな発言を繰り出してしまったということ。
武蔵に怪訝な顔をされたが、さして気にした様子ではなかった。
しかし、顎に指を当てて、レオンの顔を覗き込んでくる。
レオンは固まった。
「なんか、俺の親父の若い頃に似てるね、レオン君。中性的なところとか、そっくり。歳はいくつ?」
「さんびゃ……いや、秘密です」
「なんか今、三百って聞こえたような気がしたんだけど、気のせい? おじさんの俺より年上には見えないな」
「妖ノ歳は人より上だってイウから、彼はもしかしたらお爺サンかもしれないデスネ」
『貴方達の息子の未来の姿です』とは言えないので、レオンは笑ってごまかした。
このまま何事もなく、正体がバレないことを祈ろう。
『因ミニ、正体ガバレルト、魂ゴト消滅シマス』
なんだと⁉ という驚愕に満ちた顔で、レオンは自転車型タイムマシンを見据えた。
『アハハ、引ッカカッタ。貴方様ガ死ヌワケナイジャナイデスカ! 唯一無二ノ不老不死者、邪王レオントモアロウ者ガ‼ ワハハハ、愉快愉快!』
レオンの額に青筋が走り、この物体をぶっ壊したくなる衝動に駆られた。
だが我慢だ。
いくらムカつくとはいえ、ここで壊してしまったら、みんなのいるところに戻れなくなる。
「レオン君、どうしたの? 不機嫌そうだけど」
「あ、いや……悪霊がいたもので」
「アクリョウ⁉ 塩マカナキャ‼」
『悪霊トハ失礼デスネ。モット上手イゴマカシカタガアリマスヨ。タイムマシンミタイナモノガアル、トカ』
「そのまんまじゃんか」
ゴッと拳でタイムマシンをぶっ叩くレオン。
武蔵とメリーは顔を突き合わせて不思議がっていた。
二人には自転車型タイムマシンは見えないからだ。
「とりあえず……食事、行こうか」
「はい」
レオン達は回転寿司屋に向かった。
回転寿司屋には、サイドメニューがあるので、うどんやポテトなどを頼めばいいという結論に至る。
そうすれば、レオンも食べられるだろうと武蔵は笑顔で語る。




