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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生

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地獄巡りの短めの旅、終了

「人間もそうだろう。いつしか己が生まれた意味を知るときが来る。『使命』というやつだな。誰もが正しい道に進むことはできない。だが、使命を持って生まれて来たことはだけは、わかるはずだ。人類は数十億人といるが、その中で世界を変える大役を任される者もいる。常人よりも豊かな才能に恵まれた、人の神のような存在が」

 神王は交換留学生達を見回して、訥々と語った。

「君達もまた、特別な一人として選ばれたんだ。地球とは違う、異界の特別な王達と出会い、世界を学ぶきっかけを手に入れた。これは誇らしげに感じていいことだと思うぞ」

 と言って、微笑を浮かべる神王。

 交換留学生達は、表情を明るくした。

 神王の言葉に、誇りを持てたのだろうか。


「異界の特別な王達ね……。僕はそんな大層なものだとは思っていないけれども。特別な力を持っているのはそうだけど、僕自身が特別だとは思わないかな。前世と殆ど何も変わっていないし。神王はプライドが高いんだから」

 レオンが鼻をふんと鳴らすと、神王は肩を竦めてみせた。

「そうか? 俺の見立てでは、お前も中々プライドの塊だと思うぞ。ははは」

 レオンは無言で神王の言葉を肯定した。

 そうだ、プライドの塊だ。

「立ち話ばかりもつまらんだろう。椅子を用意してやる」

 指をパチンと鳴らした魔王が、ぱっと這いつくばった罪人を十数人ほど用意した。

「これは遠慮したいのだが」

 神王はドン引きしている。

「罪人の椅子か。どんな気持ちで四つん這いになっているんだろう」

 元々サディストの気質があったレオンは、普通に腰掛けた。




「地獄巡りの旅はこれで終わりかな。次はどうする?」

 レオンがみんなに訊ねた。

「昼食を摂るか?」

 神王がみんなに確認する。

「はい、お願いします」

 交換留学生の男子が代表して、頭を下げた。

「ならば、アルカディアに戻らねばならんな。美味い飯をご馳走してやろう。一度も味わったことのない世界を口の中で堪能するといい」

 一同は地獄界から出て、神聖アルカディア帝国の神王城に向かった。

 

 巨大な十字架を掲げたゴシック建築の城だ。

 時を告げる鐘もある。

 城と言うよりは、教会に近い。

 だが、堅牢な造りで、要塞のようにも見える、気高く白い城だ。

「オレは頭が痛くなる。十字架は苦手だ」

 魔王に効く十字架。

「僕はなんともないけどね」

「邪王なのに本人にはなんともないと……。()()だけがダメなのか。何故だ?」

 『()()』である。

 魔王は不思議がっている。


「邪王の力、邪力と相性が悪いのは、聖力だけなのだな。神力もそうだと思っていたが、なんともないようだ」

 少し不服そうな顔をする神王を睨むレオン。

「騒ぎになるから、裏門から入るぞ」

「「了解」」

「「「「「わかりました」」」」」

 みんなそれぞれに返事をした。

 返事をせず、頷くだけの交換留学生もいる。


 裏門には門番がいない。

 強固な結界で守られているので、門番が不要なのだ。

 柱の四隅に貼られた札が、強固な結界をつくっている。

 常人が簡単に剥がせない札だ。

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