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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生

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愚かしい戦を終わらせることが使命なのか

「愚かしい戦を終わらせることが、私達の使命なんじゃないでしょうか。神サマは私達を見ておられる。そんな気がします。私達からは見えませんが。姿を見せない理由もあるのかもしれません。考えてもわからないので、どうにもできませんが。信じれば救われるって言うじゃないですか。だから私は信じます。みんなが笑って暮らせる世界を、ともに創りましょう」

 にこっと交換留学生の少女は笑う。

 レオンはまだ完全には人間を信じられない。

 一度壊れた関係を修復するのは困難だ。

 他人の笑顔には裏があるのではないかと勘繰ってしまう。

 だが、この目の前の少女が嘘を吐いているようには見えなかった。

 心からの言葉だ。

 レオンにはそう感じた。


「……だと、いいな」

 こぼれる笑みはどこかぎこちないが、僅かに希望があった。

 彼女が戦に強い国の出身者だからだろうか。

 彼女の青い瞳が見据えるのは、どんな世界だろう。

 レオンもともに見てみたいと思った。

「愚かなのは、きっと人間だけじゃない。戦を止められない我らや禍津神まがつかみらもそうなのだろう。力があれば、やはり試したくなるものだ。神族の力はどの程度魔族に通用するのか、とな」

「いつでも相手になる。我が魔王軍は無類の戦好きだからな」

「僕は空で眺めているよ」

「「僕!?」」

 神王と魔王が素っ頓狂な声でハモった。

「そんなに驚かなくてもいいのに。ヤルダバオートが言っていたじゃない。これが僕の本当の話し方だと。王様だから、カッコつかないと思っていただけだし」

 むすっと頬を膨らませるレオン。

 見た目相応の年齢っぽい振る舞いだ。

 本来、喋り方もこどもっぽいのである。

 

「それにしても、『僕』だとは……!」

「腹筋が割れるように痛む」

「笑いすぎだよ!」

 大爆笑して腹を抱えている二人に、レオンが怒った。

「でも見た目に合っていると思います。いいじゃないですか。強くて可愛い王様の『僕』属性。充分に現代地球でやっていけます」

「やっぱり『余』に直す……!」

 レオンは神王と魔王をぽかぽかと殴った。

 じゃれ合っている猫のようなやり取りに、周囲が和んだ。

「そのままでいいと思います。『僕』の方が、邪王様らしさがあるような気がしますから」

「そう……?」

 レオンは渋々納得させられた。


「楽しい留学ですね。凄い人達なのに、話しやすいというか。愉快な仲間達って感じです」

「地獄が楽しいか。こちらで暮らしてみるか?」

 魔王の悪魔のお誘いを、交換留学生達は断固拒否した。

「いいえ。こっちだと早く死んじゃうじゃないですか。地球に戻りますよ」

「時間については〈時空主(クロノ・マスター)〉を呼んで、一緒に開発するから、長生きできるようになるはず」

 レオンが真剣な目で言った。

「クロノ・マスター?」

「時と空のあるじ。時空間を操る王だよ。他にも〈操者(ハンドラー)〉〈奏者(ルーラー)〉〈指揮者(テクノ・マスター)〉〈幻想師(イリュージョニスト)〉〈操り師(コントローラー)〉などがある。僕らが使うのは、【操法】。魔法じゃない」

 これらはレオンがつくった【操法】のタイプだ。

 〈操者〉は微粒子を操る王。

 〈奏者〉は作用する力を操る王。

 〈指揮者〉は自然を操る王。

 〈幻想師〉は生物の五感を操る王。

 〈操り師〉は生物を操る王。

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