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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生 中編

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自分の心に従って生きろ

 レオンも負けてられないなと思い、帰ったらまた人口を増やそうと画策する。

 目指すは、三億人だ。

 魔王には負けたくない。


 日帝の魔王城の上空に着いた。

 そこでチラシをばら撒く。

 魔王がレオンに気づいて、城から飛び出してきた。

 風船を持って空に浮かぶ魔王。

「どうした? 何をばら撒いているのだ?」

「チラシだよ。明日からドラゴンライド試乗祭をやるんだ。魔王も来るよね。魔族のみんなにも来て欲しい」

「おれは付き添いみたいなものです」

「ああ、神族の。確か、メドだったか」

「覚えていてくれたんですね!!」

 メドは感激のあまり、魔王に顔を近づけて唾を飛ばした。

 怖い王なら、それだけで打ち首ものだが、魔王は怒らず顔をタオルで拭いた。

「オレは人の顔と名前を覚えるのは苦手だが、一度親しくなると忘れないタイプだ」

「そうなんだ。知らなかったよ」

「教えてないからな」

 魔王は目を閉じて、フッと不敵な笑みを零した。

 何故格好付けているのか、レオンはわからなかった。


 魔王にチラシの大半を渡して、レオンは日帝を去ることにした。

「あ、そうだ。今度こども達を連れて温泉旅行しに来るからね。いっぱいいるから、貸し切りにする予定」

「ああ、オレの国は温泉を有名にしたい。他にも貴様みたいに企画を考えている。すべて上手くいくほどオレは頭が良くないがな」

「そんなことないよ。魔王は頑張っている。僕が保証するよ」

「邪王にそう言ってもらえるならば、ありがたい」

「邪王様は物知りですもんね」

「いやいや、そんなに物知りではないよ。ちょっと話がずれてないかな?」

「気のせいです、主様」

 メドの代わりに、イコロスが言った。

 そうか、気のせいかとレオンはさして気にした様子を見せなかった。

「じゃあね、魔王」

「ああ、またな邪王」

 レオンとメドは魔王に手を振りながらイコロスの背に乗った。

 翼で風を切って空高く舞い上がるイコロス。

 メドは目を爛々と輝かせた。


「次は華国ですか」

「うん。まだ正式には国として認められていないから、(仮)だけど」

「神王様からお話を聞いています。人間の国なんて、と思っていましたが、貧しい人々が来たんですよね。可哀想です。幸せになって欲しいですね、こちらの世界では」

「可哀想か……。他人から見れば、貧しい人は皆そう映るのかもしれないけど。同情するだけで何もしないのは、無関心より他人を侮辱しているかもしれないよ?」

「……!」

 日帝の首都、東響から大華共和国(仮)へ向かうには、西側へ北上していく。

 イコロスは体力が有り余っているので、難なく華国(仮)に到着した。

「おれは失礼なことを考えていたのでしょうか」

「まあ、そうだね。考えるより先に行動で示すのが、善行だから。メドが善行を積みたいと思っているのなら、手を貸すとかしてみたらどうかな。喜ぶかどうかはわからないけど、少なくとも自分の心に従って生きるのがいいと思うよ」

「アドバイスありがとうございます、邪王様」

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