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血気盛んな鬼部長  作者: 社容尊悟
第0章 鬼部長誕生 中編

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116/200

初めまして、幼竜達

「悪い。昔のことを引きずっていた」

「ホントだよ。僕らは弱音なんて吐けない立場なんだからね? しっかりして。肩を貸して欲しかったら、貸すから。支え合える仲間でしょう。僕らは」

「邪王は本当に優しくて頼りがいがあるな。お前のこども達が少し羨ましい」

 ふ……と目を細めて微笑を浮かべる神王。

 レオンはキョトンとした。

「神王はそんな風に思ってたんだ」

「ああ。少し荷が重いからな、王の仕事は」

「そう。苦労してるんだね、神王は。僕は前世の頃と比べると大分マシになったけど。神王って、前世の記憶ないの?」

 怜音は死んですぐ転生した。

 なので、邪王レオンは前世の記憶が鮮明だ。


「俺は気づいたら、ここにいたからな。前世そのものもなかったのかもしれない。わからない、前世なんて考え出したら、キリがないじゃないか」

 神王は頭を抱えて、力なく手を振った。

 考えることを放棄する仕草だ。

 レオンはそれ以上追及するのをやめた。

 神王の心が壊れてしまうかもしれなかったから。

「そうだね。前世のことを覚えているのは、僕だけでいい」

 レオンは神王の背中をさすって、気持ちを落ち着けさせた。

 本音を言えば、前世のことを語り合える仲間が欲しかった。

 誰も本当の自分を理解してくれない苦しみや悲しみ、それらすべてから解放されたかった。

 今世では、そういう仲間に出会えたらいいと心の底から願っている。

 大丈夫、一人じゃない。

 昔みたいな、どこか虚しくて、孤独な王様じゃない。

 自分には仲間がいる。


「では、国に帰る」

「うん。アクロスが送って行くよ」

「ありがたい。いつも助かる」

 神王を見送ったあと、レオンは指を噛んで城下に血を垂らした。

 誰もいない場所に向かって、新たな血族を生み出すために。

 幼竜を三〇〇頭ほど生み出した。

 四人くらい乗れるサイズだ。

 そして恒例の謝辞が始まる。

 幼竜達はレオンに跪き、一斉に唱和した。

「邪王様、生み出していただき、ありがとうございます」

「うん。これから竜生を謳歌してね」

 早速幼竜達は大空を駆け巡った。

 風を巻き起こしたり、大地を揺らしたり、口から金銀財宝を吐き出したり、城の上で大暴れ。

 レオンは生み出した幼竜達にそれぞれ名前を付けてやった。

 だが果たして親であるレオンは、間違えずに覚えていられるだろうか。


「お前達の兄は、邪竜イコロスと邪竜アクロス。炎と氷を操る強い竜だよ。お前達は息絶えるときまでずっとそのままの姿だけど、強くなることはできる。お前達が操っているのもまた、僕がつくった【操法】だ。金銀財宝を出す【操法】はないけどね」

「成長しないのですか?」

「うん」

「このフォルムも中々いいですね……」

 一頭だけ幼体の姿を気に入った幼竜がいた。

 シトラスという名前を付けた幼竜だ。

 自分の身体を見回しては惚れ惚れしている。

 レオンは気に入ってくれて良かったと満面の笑みを浮かべる。

「そうですか? 私は成竜になりたいです」

 幼竜にしたのは、住み処を確保するためだ。

 成竜だと場所がない。

 幼竜で五mほど。

 成竜で三十mは超える大きさだ。

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