華国をつくろう
「君がつくる国……」
「大華共和国です。略して華国」
「は、多くの貧民が移住するかもしれない国だ。全員を養える? それとも、みんな働き者になってくれる?」
「いざとなれば、私がお金を稼ぎます」
「うん。その心意気や、よし。もし、労働力が足りなかったら、言って。サービスするから」
「無償でやってくれるんですか!?」
「いや、安くするだけでお金は取るよ。僕の国は毎日のようにお祭り騒ぎをするから、お金がかかるんだ。ごめんよ」
「そうなんですか。楽しそうな国ですね。ですが、私はこの世界の通貨『ドン』というものを持っていません。手っ取り早く大金を稼ぐ方法はないんですか?」
「ないね」
ばっさりと切った。
はっきりと伝えることも大事だ。
「僕みたいに、祭りを開催すれば観光客から徴収することはできるけど。先に国づくりから始めるべきだよ」
「地下を掘って下水道整備もしなくてはいけない……難民達が果たして労働してくれるでしょうか」
「それは林君、君次第なんじゃないかな」
孫子の生まれ変わりと称されるほどには、戦に強い頭脳の持ち主なのだろう。
であれば、商才もあるはず。
レオンが手助けしなくても、強い国、強い国民を誇れるだろう。
「私次第ですか。燃えますね」
「そういうタイプなんだ。いいじゃん」
レオンはニヤリと笑った。
逆境をものともしない男は、カッコイイ。
「早速工事を始めたいのですが、許可は要りますか?」
「要らないよ」
「土地や国境なども地球と同じ規模なんですか? でしたら、華国は物凄く大きな国になりそうです」
「うん。そうだね。頑張って国つくってね。因みに、僕ら三王は一日で国をつくった。国づくりができたら、僕らを呼んで。調印式をやって、正式な国として認めるから。約束事もある。破ったら、地獄行き」
親指で喉をかっ切る仕草をすると、林慈雨はビビっていた。
今にもチビりそうな感じで、顔が青ざめている。
「地獄って……どんなところなんですか」
「地獄は恐ろしいところだぞ。大抵火あぶりの刑に処される。執行するのは魔王だ。あいつは怒ると怖い」
ずっと黙りこくっていた神王が口を開いた。
「そうかな。魔王が怖いと思ったことなんてないや。神王の方が普段穏やかな分、怒らせると怖いんじゃない?」
「それを言うなら、邪王、お前の方が……」
「どっちも怖いんですね。わかりました」
林慈雨がジト目をして話をまとめた。
手をポンと叩いている。
「それよりもお腹空きました。どうすればいいですか?」
「今日のご飯はなんだっけ。味噌汁と玄米と漬物だったかな。交換留学生にはいつも歓迎がてらにご飯をご馳走してるんだ。今回は交換留学生じゃないけど、林君も食べていけばいいよ。みんなの分も用意させるから。お代は結構だよ。あ、そこら辺でトイレしないでね」
「はい、わかりました。ありがたく頂戴します。大丈夫です。そんなことしたら、私が罰を下しますから」
林慈雨はにっこりと笑ったが、恐ろしい罰を与えそうだとレオンは思った。




