表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8歳。元勇者少女の行く末は  作者: どどどどどん
9/22

9

家の周りを散歩してみて分かったことがいくつかある。


まず、この周辺には魔物が見当たらないということ。

大方、テラが縄張りでも張っているのだろう。


次に、この家以外に近くに建物は見えないということ。

けれど、私が元々住んでいた家と違って、数十分ほどあるけばチラホラと建物が建っているのが見えた。


後は、そこの住人について。

前に私が歩いていると、1人のおばあさんと出会った。

他の人にはまだ出会ったことが無い。


そのおばあさんはキヨミさんというのだそう。

小さな子が大好きでお喋りなおばあさん。

私を見かけると嬉しそうに話しかけてきた。


名前は教えたけれど、住んでいる場所は言ってもいいのか分からなかったのと出会ったばかりの人に教えることは嫌だと思ったので、聞かれたけれど適当に答えておいた。


キヨミおばあさんは、私の頭を撫でて可愛がった後、ちょっと待っててと言って家へ戻って行った。

その内に私は家へと急いで戻った。


どうしたって人が信じられない。

だから、あの人が戻ってくる前に、こちらに深入りしてこようとする前に、切り上げてしまった。


もうあの辺りへは行かないようにしよう。

またあの人や、別の人に会ったら面倒だ。


この3つのことぐらいしか、周辺について分かることは無かった。

ここを出て行ってもすぐ生活できるように、もうちょっと探索が必要だろう。


あと、テラについて分かったことがもう一つ。

彼は頻繁に日中外出するので、何をしているのかと少し後を付けてみたことがある。

その時に彼が向かって行ったのは街のギルドだった。


ギルドなんかに何しに来たのだろうと思ってじっと見ていると、不意にテラがコチラをギロリと睨んできた。


私がずっと着いてきていたのがバレていたらしく、

「目的地が分かったのだからもういいだろ、さっさと帰れ」と凄い形相で言われてしまった。


テラについて知ろうとする行動を不快に思っているように見えたので、素直に謝ると、彼はさっさとギルドへと入っていってしまった。


魔物がギルドに所属できる訳もないので、どうやら人間として登録して依頼をこなしていっているっぽい。


家に帰って来た彼を見ると、報酬の入った袋を持っていた。

なるほど、稼ぎはそこからきていたのかと納得したのと同時に、今度から彼を詮索することはやめておこうと思った。


そんなことを続けていれば、いずれ堪忍袋の尾が切れた彼に殺されそうだ。


ちなみに、その次の日から指輪見つけてくれたお礼にと時々お小遣いが貰えるようになったのはまた別の話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ