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未来世界のラノベ考

作者: みかん

 ライトノベルが80年代後期の角川文庫あたりから始まって、はや数十年。時代は誰もが小説をネットの海に投稿し、日本中で読んでもらえる「なろう」全盛期に。

 ネットのおかげで助かった便利さもあり、逆に情報過多で大変になった部分もあり。


 とすれば次の時代、というか近未来のライトノベルの世界というのはどうなっていくのか?

以前から考えていたけれど、やはりキーワードはAIではないか? と思う。俗に言うAI作家というやつだ。

 ライトノベルのストーリー作りにはある程度の方程式があるから、それっぽいものを書けるAIはまあ数十年後には出てくるだろう。ただ、それだけでは機械的な作業であり、わざわざ時間を消費して読む意味がない。

 未来の娯楽小説において、需要が生まれるとすればそれは「個人向けに特化した小説」ではないか。

つまりたった一人の読者のためだけに、AI作家がその人がいま最も欲し、喜ぶであろう展開を計算して書く小説、あるいは漫画である。

 実はこれ、対人であればすでに似たところが存在する。個人依頼向け代行サイトというやつだ。報酬と引き替えに、個人のために作品執筆を行うサイトはネットに以前から数箇所ある。

とはいえ、そこそこ高額なので、あまり隆盛しているとはいい難いが。


 こういうことをAIが出来るようになると、例えば過去の小説を読んでいて、「この展開気に入らぬ」ってなった時、AIに頼んでストーリー書き換えバージョンを読むということを、未来の読者は普通にやるのかもしれない。

 例えば、その作家の過去作全てをAIが読み込んで、作者の文体やストーリーの癖を模倣し、読者の求める展開に寄せたものを再構築する。そして挿絵も絵師のタッチをコピーして、それらしいのを描画するわけだ。究極の個人向け作品である。

 これは芸術性を追求する文芸小説の世界においては意味が薄いかもしれないが、娯楽小説という観点では、人々を夢中にさせるかもしれない。

 つまり小説や漫画、さらにアニメは未来において、個人の好みでストーリー変更するのが当たり前の世界になってもおかしくない。ちょうどアドベンチャーゲームで、シナリオがハッピーやバッドルートに分岐するように。

 もしくは、人気アニメの逆転ifストーリーを描いた同人小説がネットにはたくさんあるが、あれを高度なレベルでやる感じか。

 そうなれば、未来人にとってのライトノベルは「読書は2周めが醍醐味だよ?」って言われているかも。


 もっともそういうことが出来るようになるのは、それこそ量子コンピュータが実現して、誰でもその恩恵に預かれるような時代でなければ無理かもしれない。とはいえ、それも100年とはかからないと思うけれども。




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