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俺という命の旅  作者: 蒼き昇り龍
輝くことのない星
3/4

なんだお前

 ここが俺の教室か。えっと席は、廊下側二列目の真ん中あたりだな。どうせなら窓側がよかったな。外見てりゃどうにかなるし。まあ席がどうかなんて関係ない。どうせここも地獄になるんだ、この名前聞いて笑わねえ奴いねえだろ、それに名前以外にも笑われるとこばっかりだ。よかったな、好きなだけ笑い飛ばせる奴が同じクラスにいて。ま、どうせ三年ありゃ終わるんだ。地獄にはもう慣れてる。先生来るまで寝たふりでもするか。



 「俺、いったい何のために生きてんだろーな」


 昔っから人に笑われてばっか。いつしか人はみんな俺を笑ってんだ、世の中皆俺が嫌いなんだ、そう思うようになって人を遠ざけ始めた。中学の時、もしかしたら俺にやさしく接してきた人がいたのかもしれない。でもそうだとしたら、俺はそれを拒んで、嫌われて、一人になっていったんだと思う。


 人に嫌われるのも、笑われるの、馬鹿にされるのも慣れてるつもりだし、辛いとは思わなくなってきた。でも、人を信じられない。家族も他人も、自分だって信じることができない。信じるのが怖い。信じた人に裏切られるにはもっと怖い。



 結局傷つきたくないだけかよ。そんなんだから友達一人できないんだよ。


 ああもう、変なこと考えんな、寝れねえだろ。まあ周りがうるさいのもあるか。入学初日だもんなあ。スマホでもいじろっと。


 「ねえねえ」



 「ねえってば」

 

 ん?俺か?女の子が話しかけてくるなんて珍しいな。にしても、かなりちっこい奴だな。

 「何?」

 「僕、君の隣の席なんだ、よろしく!」


 はあ、それだけ?なんだお前。ったく、こういう空気苦手だからボーとしてたいのに。対して用もないなら話しかけてくんなよ。「ハイハイ、よろしくお願いします。」


 「むー、なーんか感じ悪いにゃあ」

 分かったらどっか行けよ。

 


 しかし、今思うとあれだな。




 出会いって、こんな何気ないんだな。

 


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