告白
「宵月さんっ!」
心の底からその名前を叫んだ。正直、今何が起きているか分からない。頭がボーーっとするし、何やらフラフラする。心臓の鼓動が本当にうるさいし、胸がとても苦しい。自分が自分じゃないみたいだ。
今という瞬間が、本当に流れているんだろうか。その1秒1秒が本当に長く感じる。
俺は、藤松輝星は、宵月芹香が好きだ。狂おしほど好きだ。周りから見ると気味悪いだろうけど。
俺の目に映る君は、本当にまぶしい。この世にいるのかと疑うほどだが、これも俺の妄信なのだろうか。だとしても俺は信じる。あのまぶしい笑顔、あの純粋な瞳、きれいな声、可愛らしい仕草。全てが最高だと。それがたとえ俺に向けられていないとしても。そんな君の目に、俺はいったいどう映っているのだろう。
そう考えると怖くて顔が上がらない。あの天使にお前はふさわしくないと今更俺にささやく俺がいる。そしてそれをはっきり拒めない。この今までに一度も感じたことのない想いを、こんな感情でどう口にすればいいのだ。
周りから見たら今という瞬間はどう映るのだろうか。この心が届くことを心から願い、期待しているのか。ただ面白がり、腹の中で笑っているのか。この状況をそもそも理解できていないのか。もしかしたら、俺の恋が実るのが面白くない人もいるのかもしれない。
余計なことは考えるな。
考えてもわからないなら、そのまま言うしかない。自分がふさわしいかどうか。相手を幸せにできるのか。そんなものは答えを聞けばわかることだ。すでにこの気持ちを知られていたとしても、自分の口で言わなければ意味がない。ここで逃げていたらいつまでたっても俺は変われない。
ただこの想いを伝えるのだ。
びびんな。男だろ。
「宵月さん」
「君が…君が好きです。」
俺は弱々しい声で、確かにそう言った。そして、言葉を一つ胸に閉まった。
ありがとう
君を好きになれてよかった。