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月夜

作者: すみ いちろ

アスファルトに光る


小さな円光


光って


消えていった……




しばらくすると


また


小さな光……



夜空に


すーっと


消えていった……



すると……





あちこちで



小さな



光の円光



黄色に



光って



夜空へ



昇ってゆく…




驚くほど真っ直ぐ



小さな



細い



光の筋を残して……



垂直に



夜空へと昇ってゆく……





(ほの)かに闇が明るい



漆黒というよりは



濃い深い群青色をした夜空……



星たちが



より分けた



小さな砂の一粒



(またた)いた



ダイアモンドのようだった……






ひときわ


 

大きく光る



丸い円光



あまりにも巨大……




巨大な円光……


 


呼び寄せられる



アスファルトに輝く



小さな円光……





ポッと




光り輝いては



垂直に



濃い深い群青の中



吸い寄せられる



巨大な円光に



のびてゆく



立ち昇る



小さな丸い円光群……



アスファルトの



そこかしこで



ポポッ……





一斉に輝き出す光……



瞬間……



直線が光る……




群青の夜空



巨大な円光



垂直に引かれる直線



垂直にのびる直線


 

途切れそうに



引力という目に見えない光



アスファルトから



群青の中に



巨大な円光に



円錐状に



のびてゆく


 

引力という不可視の光


 

巨大な円光に向かう



濃い深い群青の夜空



くぐって



結ばれる



幾千の光の直線たち





細く



限りなく



細く



はてしなく



途切れそうに……



蜘蛛の糸より



細く……




群青の夜空



見えなくなって



ちら…と



反射を残す銀の光……




マンホールが



アスファルトに



重く静かに



はりついている……


 




浮かびあがる



吸い寄せられる



地面に光輝く星たち……





虫たちが



鳴いている……




……






肌寒い夜






引力という不可視の光




群青の夜空




円錐(えんすい)の垂直線




反射を残す銀光




浮かびあがる




吸い寄せられる




地面に光輝く星たち……




夜空に向かう




のびてゆく




光の筋を残して……




巨大な円光に


 


帰ってゆく……




どこかしこから




光の筋が




地面から




巨大な円光に




帰ってゆく…




幾千に光輝く垂直線




垂直線の光の束




巨大な円光に




結ばれる……





帰ってゆく





地の星と月……








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― 新着の感想 ―
[良い点] >自分の作品の中で、なんの工夫もしてない感情丸出しの作品の方が、ウケがよく、工夫を凝らしたものの方が、ウケが悪い……。 すみさんの詩は、感情丸出しの方が、グッときます。 あなたの生き方と…
2020/11/04 09:09 退会済み
管理
[良い点] 幻想的な詩ですね。それなのに、どこか親しみも感じるような映像が浮かびました。不思議な感覚です。 改行や体現止め、それと所々の暗喩が詩意に合っていて素敵だと思いました。私には書けない詩です(…
[一言] 柔らかくて、優しい詩ですね。 「群青の夜空」 良いです。素敵です。 ありがとうございます!
2020/11/01 06:49 退会済み
管理
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