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AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!  作者: SUYA
人工知能(AI)に転生! 第一章
6/50

第6話 さあ、散策です

「この建物は正規軍の建物なので、軍の仕事をしない者がいては困る」

「そこにある通路からフリーエリアに行ける」

 あたしは彼が示したほうを見た。なっ、何あの入り口、怪しすぎるよ。

「なにかあればこちらから連絡する。研究する気になったら声をかけてくれたまえ」

 そう言い放つと、彼は宇宙のような部屋の壁に消えていった。取り残されたあたしはその部屋から出ることにした。

 だが、入ってきたドアがなくなっており、彼が示したフリーエリアへの入り口しか選択肢はなかった。

「どう見てもスライダーだよ! どこかに滑っていく形状だよ!」

 だが、選択肢はこれしかない。あたしは慎重にスライダーの入り口へ体を滑り込ませた。最初はゆっくりだった速度が、徐々に上がって行く。もの凄い勢いで滑り落ちて行く。

 結構滑ったのに全然ゴールにつかない。

「うわぁぁぁぁぁぁあ! どこまで続くのこれぇぇぇぇぇえ!」

 足が何かに触れたと感じた瞬間、ガラ、ガチャァァァァン! と音とともにスッポリ何かに入り込んでしまった。

「あたたたたぁぁぁあ」何となく声がでてしまったが、全く痛くはない。ガチャリ、ガチャリと、その中から這い出した。

「おい! これはどう見てもスクラップ置き場だよ!」

 しかし、自由にしていいと言われたけど、いったいなにをすればいいのかなぁ。とりあえずこの建物を散策してみるかなぁ。そうだ、食料にあたるものを確保しとかないとね。

 今のところエネルギーは大丈夫そうだ。

 視覚と同時に文字や図形が表示されていて、イメージで言うと戦闘機のコックピットや、なんとかボールのスカウターのような状態だ。その中にバッテリーのような表示があって、それは80%を示していた。

 あたしはバッテリーで動いてるのかな? さっきの人に聞いとけばよかったなぁ。まあ、こちらから呼びかければいいか。

「あのお腹が減ったらどうしたらいいんですか?」

 呼びかけると応答があった。

「おなかが減るとはエネルギー不足と言うことですか? 確認したところ、今は大丈夫なようですが?」

 管理側からもこちらの状態が分かるようだ。

「エネルギー不足になったとき、場所を知っておかないと困るので、教えてもらえませんか?」

「あなたはバッテリー供給タイプのようですね。では経路を送ります」

 とりあえず場所を覚えておくために、バッテリー供給場所へ向かうことにした。

 途中、機械を生産しているところ。機械の強度をチェックするところ。武器の能力をチェックするところ。など、このエリアにもいろいろな施設があることが分かった。

 中でも興味深かったのが戦闘訓練施設だ。あたしと同系統のロボットが模擬戦闘を繰り広げていた。

 二体とも武器を持たずに戦闘を行っていた。一体が手のひらから炎の球を放った。その攻撃を、もう一体が氷の壁を出現させ防いだ。その氷の壁が槍の形に変化し、それを握って相手に突き付けた。

「すっ、凄い、魔法みたい!」

 またも、頭の中に言語が流れ込んできた。

「バージョン10008のボディにも、手の平に量子コントローラが装備されています。手の平をかざし、水・風・雷・炎などの物理現象を発生することができます。戦闘経験を重ねて学習することで、より複雑な利用が可能となる予定です」

「わ、あたしにそんな能力が装備されているのか!」

 かなり興味が沸いたので、どこか試せる場所はないかなと歩きまわった。何カ所か広い場所を見つけた。その中でも一番広いエリアで、量子のコントロールを試してみた。

 あたしがその機能について思い描くと脳裏にヒントが浮かんだ。

「アプリケーション量子コントローラーを起動! 手のひらに発生装置があります。手のひらを体から遠ざけるように伸ばし、出現させたいものをイメージしてください。イメージが難しい場合は今から用意するサンプルの中から選んでください」

 あたしはとりあえずサンプルの中から火炎放射を選択した。すると伸ばした手のひらの数センチ離れたところから炎が噴射した。

「すっ、凄い! 何もないところから炎が出た!」

 ほんとに、魔法みたいだ。氷や水などいろいろなサンプルを試した。散々遊んだら飽きてきたので、さらに他のエリアを散策する事にした。

 最初に居たところからは随分離れたと思う、壁の色が変わってきて、老朽化しているのを感じた。

「こっちは随分古びてるなぁ」

 しばらくすると、長い下りの通路を見つけた。そこはさらに通路が老朽化していた。

「わりとこういう場所、好きなんだよね。ホラーゲームみたいで」

 興味をそそられ、奥へと進んでいった。200メートルほど進んだんだろうか、下り坂から水平に戻った。通路は先の方へ伸びており、暗がりの先のほうに明かりが見えた。あたしはそこまで進もうと考えた。灯りに近づくと、物音とともに声が聞こえた。

「誰かいるのかな?」あたしは部屋の中をのぞき込んだ。

 そこには数体のロボットがいた。会話をしているロボットや画面に向かって何か作業しているロボットもいた。そのうちの二体が、モニターから目を離しこちらを見た。

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