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AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!  作者: SUYA
人工知能(AI)に転生! 第一章
40/50

第40話 収穫祭準備

 それから毎日コンサートへ向けて、猛特訓がはじまった! 早朝はナンシーさんとランニングに、筋トレに、ダンス特訓!

 学校ではロンロさんのダンスレッスン! 家に帰ると夕食後のボイスレッスン! あたしって、この国へ何しに来たんだっけ?

「茶々丸、茶々まるー」

「なんだい、コトコ?」

「このやり方だと目的達成まで、相当かかりそう。何なら、目的を忘れそうだよ」

「平和的に解決しようと思うと地道な努力が必要なんだよ、意識を変えていこうと思うと長い年月が必要なんだよ」

「コトコが、やろうと言い出した事はそういうことなんです!」

「茶々丸、耳の痛いことを言ってくれますなぁ」

 収穫祭があと5日に迫った日、あたしはロンロさんと一緒にセッティングが済んだばかりの舞台に立っていた。

「うわぁぁぁあ、本格的な舞台じゃないですか!」

「確かに、学院お金かけたわね。俄然やる気になってくるわぁ。楽曲ごとの立ち位置、舞台を広く使ったダンスの位置どりを確認していきましょう」

「じゃあ行くわよ! 音響お願いします」

 本番さながらの練習が始まった。これはもう、リハーサルかな?

「コトコちゃん、凄いじゃない、見違えたわ!」

「ありがとうございます」

 あたしは「ハァー、ハァー、ハァー」と肩で息をしながら答えた。ポタリ、ポタリと顎から汗が舞台の床に滴り落ちた。

「うーん、脇を固めるメンバーが欲しいなぁ。舞台が思ったより広いから空間が目立ってますね」

 観客席側から、ヒロト先輩が舞台全体を眺めて声をかけた。

「ヒロト先輩! ちょっと、こんな土壇場でなんちゅうこと言うんですか!」

「なるほど、確かにそうねぇ」それに同意する、ロンロさん。

「ちょっ、ちょっと、まってください」ドギマギするあたし。

「誰かいいメンバーいないかな」

「コトコ、調子どう?」そこへ、マリアちゃんとクリスティちゃんが、観客席の方から声をかけてきた。

「発明クラブの方にも出てもらわないと困りますから、ちょっと誘いに来ました」

 クラブ長の目が、二人の間を30回位行き来した。

「ちょっと君たち踊ってみないかい?」

「はぁ?」間の抜けた声を出すあたし。

「えっ? 良いんですか?!」パーっと、明るい表情になるマリアちゃん。

「ちょっと、マリアちゃん! 本気なの?」

「こんな舞台で踊るのは滅多に出来ないから、お願いしまっす!」

「本番5日後だよ! 無謀だよ!」

 マリアちゃんは屈伸したり、手足を伸ばして、準備運動を始めている。

「クリスティもおいでよ、踊ろうよ!」

「えっ! あたしは無理だよー」

 強引に、クリスティちゃんの手を引っ張る。

「ほら、クリスティ、あたしよりダンス上手いでしょ!」

「もー」と言いながら、準備運動を始めるクリスティちゃん。まんざらでもない御様子だ。

「踊るの久しぶりだなー」ストレッチも、返事ものんびりな、クリスティちゃん。まったく踊れる様にみえない。

「コトコでも、踊れるんだから大丈夫」

 ちょっと、マリアちゃん、今の一言メンタル結構削られましたよ。

「もういいよ! 踊れるものなら踊るがいい!」

 魔王の捨て台詞の様な言葉を発するあたし。

「じゃあ、私が踊ってみせるから、合わせてくれるかしら。音響さんお願いします」っと、ロンロさんがダンスを始める。それに続いて、二人が踊る。

「うっ、うまい!」

 あたしの目は二人のダンスに釘付けだ! 二人の動きを見て、ロンロさんの目の色が変わった。ちょっとそんな振付でしたっけ? 難易度上がってません? その振付を軽々とこなす二人。

 マリアちゃんとクリスティちゃんは一曲を踊りきった。ふー、っと一息つく二人の髪の毛が汗で煌めいた。まっ、眩しい! あたしはがっくり、項垂れた。あたしっていったい。

「ブラボー、素晴らしい、最高だわ!」

「ロンロさん、同じ意味何回重ねるんですか!」

「是非、ダンスお願いしたいわ」

 そして、あたしをチラリと見た。ちょっと、そんな目で見ないでください。どうせ、あたしはダンスへたくそですよ。

 ヒロト先輩も二人に駆け寄る。「是非、踊ってください!」

 その時後ろから、発明クラブのカイト先輩が近づいて来た。

「二人のダンスは無理だろ」

 ヒロト先輩はヒュンと振り返り、声の主をギロリと睨んだ。

「カイト、またお前か!」

「兄さん、収穫祭の出し物の順番は確認したかい?」

 収穫祭の書類を鞄から引っ張りだし、確認を始めるヒロト先輩。

「企画研究クラブの模擬戦の後が手品師クラブの出し物、その次が企画研究クラブの出し物だ。模擬戦の片づけやら企画研究クラブの準備を考えると、難しいと思う」

 二人は兄弟だったのか! そちらに注目するあたし。

 そそくさと、舞台から降りようとする。マリアちゃんとクリスティちゃん。

「確かに、そうかも。残念ですが今回は辞めときます」

 あたしはその行動を止めるように手を広げて訴えた。

「ちょっと待って! せっかくだから1回一緒に踊って!」

「いいわね、私も一度見てみたいわ!」

 その意見に同意するロンロさん。

 ヒロト先輩も、舞台の感じをつかんでおきたいのでお願いするよと言った。カイト先輩は無言で頷いた。そして、夢のコラボが実現した。まあ、夢でも何でもないんだけどね。

 あたしは二人に手を引かれ、客席から舞台に上がった。ロンロさんが音響へ合図を送る。音楽が鳴り響く、あたしたち三人はダンスをスタートした。あたしのダンスに二人が合わせてくれる。アドリブを加えてあたしを引き立たせてくれる。凄い! 気持ちいい! ジャジャン! っと曲が終わった。

「ハァー、ハァー、ハァー」っと大きく、息をする三人。客席のスタッフから拍手が巻き起こった。そして、顔を合わせニッコリほほ笑んだ。あたしは二人と抱き合った。

「二人ともだいすき!」

 三人とも、汗にライトが当たって、全身がキラキラと煌めいていた。

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